RFIDとは?最新動向と活用事例を解説!

  • 2月 24, 2020
  • RFID

皆さん、ユニクロで無人レジを見たことがありますか?

アパレルではRFIDが普及しはじめ、在庫管理や無人レジ決済など現場の効率化に活躍しています。欧米ではRFIDの普及が進んでおり、製造や医療の現場にも広まっています。

また、金属物にはRFIDタグを使えないと思ってあきらめていませんでしたか?

金属対応タグを貼り付ければ金属物もRFIDで管理できます。近年、RFIDタグの価格が下がっていたり、技術革新により位置特定までできるようになりました。そこで本稿では、RFIDの最新動向と実際の活用事例をご紹介しながら、どのように現場を効率化して人手不足を解消できるかを解説していきます

 

今、注目されているUHF帯RFID

RFIDタグ

RFIDタグは、主にICチップとアンテナから構成されます。1ミリ以下の小さなICチップにメモリが内蔵され、電波で情報を読み取ったり、書き換えたりできます。用途や貼付物に応じた様々なRFIDタグがあります。

タグについて深く知りたい方は、RFIDタグの失敗しない選び方〜タグメーカーを一挙紹介〜をご覧ください。

出典:ナクシス株式会社

リーダーライター

リーダーライターは、RFIDタグの情報を読み取ったり、書き換えるための機器です。リーダライターから受信した電波でRFIDタグのチップが動作して、リーダーライターに微弱な電波を返すことで情報が読み取られます。

リーダーライターについて詳しく知りたい方は、RFIDリーダーの価格や選び方を解説!最新のスマホ搭載型ハンディリーダーを一挙紹介をご覧ください。

アンテナ

リーダーライターでRFIDタグを読み書きするために、電波を送受信する役割を果たすのがアンテナです。ハンディ型やゲート型のRFIDリーダーの場合は、アンテナとリーダーが一体になった機器構成となっています。一方で、据置型のリーダーライターにはアンテナを接続して利用します。

アンテナについて詳しく知りたい方は、RFIDアンテナとは?入出庫を自動読取りする最新製品を一挙公開をご覧ください。

RFIDタグには、電池搭載の「アクティブ型」と、電池不要でリーダライターの電波で動作する「パッシブ型」があります

また、パッシブ型にも、HF帯(短波帯)の電磁誘導方式と、UHF帯(極超短波)の電波方式の2種類があります。HF帯は通信距離が数10cmしかなく、交通系ICカード、ETCカード、回転寿司などで利用されています。UHF帯は通信距離が5~10mと長く、タグの価格が安価です。

RFID通信距離について以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。

→「RFIDの通信距離に関する基礎知識と最新情報」

今、UHF帯RFID(以下RFID)が注目されています。

RAINという国際団体が2014年に設立され、RFIDを「RAIN RFID」というブランド名で普及させています。IMPINJやZEBRAなどRFID業界の名だたる企業だけではなく、IntelやFedexなどIT企業や物流会社もRAINに加盟しています。

日本では、経済産業省が「コンビニ電子タグ1000億枚宣言」を策定し、2025年までにコンビニの全商品にRFIDを利用することを掲げました。また、ユニクロが2018年から全商品を対象にRFIDタグを貼り付け、日本でも本格的な導入が始まっています。

ユニクロの導入事例について詳しく知りたい方は、RFIDタグを導入したユニクロから学ぶ他業界RFID活用のヒントをご覧ください。

バーコードと比較したRFIDのメリット

バーコードとRFIDの違いを見てみましょう。以下のとおり、RFIDは棚卸や入出荷など物品管理を圧倒的に効率化できます。また、技術革新により位置特定など機能が広がっています。

複数のタグを一括で読み取り可能

ハンディターミナルをかざすと10m以上離れた距離からでも数百個のRFIDタグを瞬時に一括で読み取れます。バーコードの運用に比べ、棚卸作業の時間を約10分の1に短縮できます。

ダンボール箱を閉じたまま中のタグ読み取り可能

ダンボール箱を開封せず、商品に貼り付けられたRFIDタグを読み取れますので、入出荷作業の時間を約10分の1に短縮できます。

バーコードよりデータ量が多く、書き換え可能

RFIDタグはメモリを内蔵しているためデータの書き換えができます。また、メモリ容量は96ビットや128ビットなどバーコードよりも多くの情報量を持てるので、シリアル番号などを付与できます。これにより、JANコードは同じでも賞味期限が異なる商品を、RFIDであれば個品管理が可能です。

RFID導入のポイント

金属物だって管理できるRFID

金属物に通常のRFIDタグを貼り付けると、リーダライターの電波を受けてタグから返される応答波が、金属面からの反射波で妨害されて読み取れなくなります。

しかし、金属物にRFIDを利用できないわけではありません。金属面に直接貼り付けなければ読み取れますので、金属対応素材を間に挟むことで読み取りが可能になります。それが金属対応タグです。

最近は1センチ程度の小さな金属対応タグが開発され、小型工具などに利用されています。貼り付けた金属面がアンテナの役割を果たすため、小型化が可能となっています。このように、金属対応タグを利用すれば機器、保守部品、金型、工具、治具などの金属物をRFIDで管理可能です。

急速に価格が低下するRFIDタグ

2000年代初頭にRFIDが注目されはじめた頃、タグは1枚数十円でしたが、生産技術の進歩などによって10円以下のタグが出てきています。2017年にはグローバルでタグの発行枚数が年間100億枚を突破し、大量生産によって更に価格が低下しています。

例えば、大日本印刷は部材や製造方法の最適化などによって、2025年に1円の実現を目指していると発表しています。このように、RFIDは費用面からも導入しやすくなっています。

一方、金属対応タグは価格が低下しているとはいえ、1枚100円以上することが一般的です。しかし、機器、保守部品、金型、工具、治具などに貼り付ける資産管理であれば、多くてもタグは数千枚から数万枚です。再利用もできますので、大きな費用負担にはならないでしょう。

大量の製品や仕掛品を管理する場合でも、箱などの単位でタグを貼り付ければ、通常のタグを利用して費用を抑えられます。このように、用途に応じて上手く運用することで、幅広くRFIDの利用が可能となります。

RFIDの詳細価格については、以下の記事で解説していますので、導入に向けて参考にしてみてください。

→「RFIDタグの価格は1円以下を実現!?気になるタグの最新価格動向と導入事例を徹底分析!

RFIDタグの位置特定など活用の広がり

RFIDタグの価格は下がっていると言えども、気になるのがRFIDを導入した際の費用対効果です。入出庫や棚卸しだけでも作業時間を8割前後削減できるので効果は大きいですが、RFIDの活用の幅を広げて費用対効果を最大化することは重要です。

そこで注目されているのが、RFIDタグを貼り付けた在庫・物品の位置特定です。RFIDタグを読み取るときの電波の強弱から、タグに近づいたか遠ざかったか判別できます。さらには、電波位相解析というRFルーカス社の特許技術により、タグの位置情報を正確に特定できるようになりました。RFIDタグを貼り付けておけば、店舗、倉庫、工場でのロケーション管理や探し物の時間を短縮できます。

RFIDの位置情報技術や活用事例について、以下の記事で詳しく説明していますので、ぜひご覧ください。

→「RFIDの位置情報で探し物が見つかる!?入出荷・棚卸しだけではないRFIDの新たな活用法

RFIDの活用事例

人手不足を背景に、以下のような幅広い業界へRFIDの活用が広がっています。また、新型コロナウイルスの感染拡大を契機に、在庫管理を省人化して、現場の非接触を実現するサプライチェーン改革の切り札としてRFIDへの注目が高まっています。詳細はこちらの記事をご覧ください。

→ 「With/Afterコロナのサプライチェーン改革とは?押さえるべき4つの最新トレンド

在庫棚卸

倉庫や工場など広範囲にあるため、棚卸作業にはハンディターミナルを利用することが一般的です。

・ビームス

早期にRFIDを導入した国内事例です。RFID導入後は、店舗における棚卸の延べ時間を10分の1に短縮でき、人件費の削減につながったとのことです。物流現場では、仕分け、ピッキング、検品など様々な場面でRFIDを活用し、作業効率を高めています。

[参考記事」
BEAMSインタビュー 物流IoT最前線~BEAMSの今とこれから~

・豊田通商 

2019年4月、自動車部品物流を行う物流センターでRFIDを活用した入出庫・棚卸システムを試験導入しました。倉庫への部品搬入時に、梱包箱へ通常のRFIDタグを貼り付けています。棚卸時間が従来の8分の1に短縮され、人手不足や高齢化などの課題解決に役立っています

[参考記事」
“棚卸の時間が従来の8分の1に短縮!” RFIDを活用した自動車部品の入出庫・棚卸システム試験導入開始 ~自動車部品のグローバルサプライチェーンマネジメント効率化を目指す~

資産管理

製造現場の生産性を高めるためには、製造ラインの自動化だけではなく、アナログで非効率な資産管理を効率化することも重要です。金属対応タグを利用すれば、機器、保守部品、金型、工具、治具などの資産管理にRFIDを活用できます。

・川崎重工業

航空機生産現場にて、航空機部品や治具などにRFIDタグを貼り付けて動きを把握することで、航空機生産の進捗管理に取り組んでいます。

[参考記事」
川崎重工、RFIDで航空機生産の進捗を管理–部品や治具の動きを一元管理

入出庫検品

物流センターでの入出庫検品には、ゲート式アンテナを使って台車ごと荷物を通過させて読み取ります。また、工場などの備品の貸出管理には、卓上アンテナやハンディターミナルが利用されます。

・佐川グローバルロジスティクス

生産性向上によって省人化を実現し、物流現場の人員不足に対応するため、東松山の大型物流施設にRFIDを導入しています。ゲート式アンテナを設置することで、入荷検品においては1時間当たりの生産性が7.8倍、出荷検品においても8.9倍の向上に成功したとのことです。

[参考記事」
佐川グローバルロジ/RFIDによる入出荷検品開始、7~8倍の効率化を実現

探索・ロケーション管理

スマホ搭載のハンディターミナルを使って、瞬時にモノの位置を自動取得してデジタルマップに表示できる新たな在庫・物品管理システム「Locus Mapping」をRFルーカス社が提供しています。店舗・倉庫における在庫探索やピッキングの効率化、来店客による店舗の商品位置検索、棚割分析など幅広く活用できます。

・JR東日本

物品・資料を保管する社内倉庫での現場作業を効率化するために活用されています。棚卸しや出庫時には、人が保管物に貼られた紙を直接目視で保管期限などを管理していたそうです。鉄道という人の安全に関わる事業の性質上、このアナログ管理体制に非常に工数がかかる、というのが一番の課題でした。そこで、Locus Mappingを活用して、作業をデジタル化・自動化することで、業務全体の60~90%の工数削減を確認できました。

導入事例の詳細はこちらの記事をご覧ください。

→ 「【東日本旅客鉄道株式会社】入出庫/棚卸し/探索の作業時間の60~90%を削減!

・ジップ

ベネッセホールディングスのグループ企業として、主に進研ゼミの教材を取り扱う物流会社です。手作業による運用コストの上昇、人手不足の深刻化などに課題を感じており、Locus Mappingを活用して教材のロケーション管理を効率化し、省人化に取り組んでいます。

無数の教材ひとつひとつにRFIDタグを貼り付けることは、費用が膨らみ手間もかかるため、教材の種類ごとに棚へ設置されている看板にRFIDタグを貼り付けて運用しています。

・アステラス製薬

研究所で取り扱っている様々な資材・物品の棚卸しを毎月実施しており、大きな業務負担となっていました。厳密な管理体制を維持しながらも、業務を効率化するために、入出庫、棚卸しに加えてロケーション管理まで対応できるLocus Mappingが活用されています。

まとめ

ご紹介したとおり、金属物でもRFIDを利用できますし、棚卸や入出荷など一括読み取りだけではなく、位置特定のようにRFID活用の幅は広がっています。また、RFIDタグの価格は急速に下がっており、費用面でも導入しやすくなっています。

今後、労働人口も減っていく中で、現状業務を見直して、工数削減や作業効率化に焦点を当てることが重要になってきます。現場の生産性を高めるソリューションとしてRFIDを検討してみてはいかがでしょうか。