P3 Finderの導入により倉庫や店舗で発生していた欠品の大幅削減に成功

2000年の創業以来「MOUSSY」や「SLY」などをはじめとした人気アパレルブランドを次々と生み出している、バロックジャパンリミテッド。取り扱いブランド数は21ブランド、直営店の店舗数は日本を中心に中国、香港、アメリカに700店舗以上を誇り、卸売としては26か国に事業を展開しています。

そのようなバロックジャパンリミテッドでは、倉庫と店舗の現場で、RFルーカスのP3 Finderが活用されています。P3 Finder導入前に抱えていた課題から、導入までの経緯、導入後に感じている効果について、同社物流部の徳野 拓史 氏と川島 剛 氏にお話を伺いました。

 

リアルタイムで商品の探索が可能なツールが必要だった

リアルタイムで商品の探索が可能なツールが必要だった

— P3 Finder導入前に抱えていた課題について教えてください。

物流倉庫では、倉庫管理システムを使い、商品をロケーションで管理しています。しかし、仕分けや検品などの主な仕事は人間が行っているので、どうしてもミスやエラーが発生します。例えば、システム上の数字と現場にある商品数が合わない、棚卸しをしてみたら、ないと思っていた商品が出てきたなどの事象は、実際に現場でよく起きています。

 

また、店舗でもデータ上の商品数とフロアにある商品数やストックの商品数が合わない、あるはずの商品が見つけられず販売チャンスを逃しているという課題がありました。

 

— P3 Finderを知ったきっかけについて教えてください。

こうした課題を解決するために、商品をリアルタイムで探し出せるツールが必要だと考えるようになりました。すでにジョンソンコントロールズ社のRFID在庫管理システム TrueVUEの探索機能を使っていたのですが、より精度の高い探索ツールを求めていました。

 

そのようなとき、現場で物流を担っていただいている佐川グローバルロジスティクス社から、P3 Finderについての話を聞きました。さっそくデモアプリを現地で試したところ、今までより探索がしやすくなったと実感でき、スタッフからも好評だったため、導入に踏み切りました。

 

突出した「探索力」がP3 Finder導入の決め手

突出した「探索力」がP3 Finder導入の決め手

— P3 Finderの導入を決めた理由について教えてください。

何よりも「探索力」が一番の決め手でした。3Dレーダーで、探したいものの位置が平面だけではなく垂直方向にも高精度に表示される点は、非常に有用であると感じました。

その後、倉庫だけではなく店舗にもテスト導入した結果、店舗の在庫状況を把握していないスタッフでも、すぐに目的の商品を探し出せたという点も、導入を決めた一因となりました。

 

— 精度の高い探索機能が必要だったのはなぜでしょうか?

東松山ディストリビューションセンター(DC)は、店舗販売商品と通販販売商品の両方を扱う統合倉庫となっています。データが基幹システムと連携しているので、データ上に商品がある場合は必然的に販売を行う仕組みになっています。

 

通販商品の場合、通常の店舗販売商品と違い、販売開始から少し時間の経った商品も販売可能商品として在庫化されているケースがあります。しかし、いざその商品に注文が入り倉庫内の在庫を確認すると、あるはずの場所に商品がない、つまりシステム上のデータと実際の現場の実態に乖離が生じている場合があります。

 

そういった事態が起きたときでも、すぐに該当商品を見つけ出し、欠品の状態を防ぐためには、より精度の高い探索機能を備えたツールが必要不可欠だと考えていました。

 

— 導入までのスケジュールと体制について教えてください。

2019年にデモアプリを試したあと、2020年2月から東松山DCでP3 Finderの利用を開始しました。その後、2020年4月からは店舗でもテスト導入を始めました。

 

倉庫や店舗への導入時のオペレーションは、物流部が中心となって進めました。2021年2月からはP3 Finderとジョンソンコントロールズ社のTrueVUEとのサービス連携を開始し、現在はジョンソンコントロールズ社を通してRFルーカスの技術やサービスを享受している形となっています。

 

P3 Finderの優れた探索力を活かし欠品の大幅削減に成功

Finderの優れた探索力を活かし欠品の大幅削減に成功

— 倉庫での業務において、どのような導入効果を感じているか教えてください。

P3 Finder導入前は、リーダー格のスタッフの経験則や知識、勘などに頼って商品探索を行うことが多いという課題がありました。しかし、P3 Finderを導入したことで、どのスタッフでも容易に商品の探索ができるようになりました。それにより、商品がないから販売ができない、いわゆる欠品の状態が大幅に減ったことは大きなメリットだと感じています。

 

— 店舗での業務において、どのような効果があるか教えてください。

店舗では、商品の棚卸し時や、データと手元にある在庫に乖離があったとき、お客さまからリクエストをいただいたとき、データ上にある在庫が見つからないときなど、さまざまなシーンでP3 Finderの探索機能が活用できます。

 

倉庫と異なり、店舗の限られた面積の中で目的の商品を見つける作業は、実はかなり労力を使う作業です。探索力に優れ、かつ誰でも扱いやすいP3 Finderを活用すれば、今までスタッフの負担となっていた作業を大きく軽減できます。

 

また、データと手元にある商品数に差がある場合の原因が、はっきりとジャッジできるようになることもP3 Finderの効果の1つだと考えています。

 

— 今後の展望やP3 Finderなどを活用して取り組みたいことがあれば教えてください。

今後さらにRFIDを活用した商品管理に切り替えていこうという方向性が弊社内でも出されています。これからP3 Finderを導入するブランドが増えれば、当然ながら対象となるストアも増えていきます。オペレーションをどのようにするか、P3 Finderをどのような目的で利用するかは、今後社内でも検証を行っていきたいと考えています。

 

また、RFルーカスとジョンソンコントロールズでシステム連携を強め、在庫管理をより効率化できる機能を提案してもらえればとも思っています。

 

RFルーカスに期待することがあれば教えてください。

今回導入したP3 Finderの他にも、商品・在庫のロケーションをデジタルマップに表示できる「Locus Mapping」や、自動読取ゲート「RFID GO」など、関心を持っている技術やサービスが多数あります。

 

今後も他社様の事例など共有していただきながら、有用な提案やサポートをお願いできればと思っています。