RFIDリーダーの価格やタイプ別の特徴・価格帯を解説!RFID自体の価格も紹介!


近年、RFIDは業務効率化を実現する
画期的なソリューションとして注目を集めています。RFIDタグとRFIDリーダーが必要な構成になりますが、その中でもRFIDリーダーには様々な種類があるため「どのRFIDリーダーを選べば良いのだろう…」とお悩みの方も多くいらっしゃると思います。

実際に、RFIDリーダーを導入する場合は、用途に応じて最適なものを選ばなければなりません。この記事では、RFIDリーダーの種類や選び方について分かりやすくご紹介します。この記事を読めば、皆様の現場に最適なRFIDリーダーを選べるようになります。

RFIDとは

RFIDとは、電波を用いてRFタグのデータを読み書きする技術のことをいいます。RFタグにはIC(集積回路)で構成されており、リーダーからの電波に反応して動作します。従って、RFタグには電池を内蔵する必要がありません。

近年、RFタグの価格が安価になってきており、電波の距離も伸びています。後述しますが、バーコードからRFタグに切り替えることで業務効率化が実現できます。そのため、さまざまな企業で導入され始めてきました。

RFIDの最新動向を知りたい方は「RFIDとは?最新動向と活用事例を解説!」をご参考にしてください。

RFIDを活用するメリット

近年では、バーコードからRFタグに切り替える企業が増えてきました。RFタグに切り替えると、どのような効果が得られるのでしょうか?ここでは、RFIDを活用するメリットをご紹介します。

複数のタグが一括で読み取れる

バーコードは1枚1枚をスキャンしなければいけません。しかし、RFタグに切り替えると複数のタグを同時にスキャンできます。RFIDの一括読み取りに切り替えることで、業務棚卸時間が1/10程度に削減できます。

距離が離れてもタグが読み取れる

バーコードは、バーコードリーダーを近づけてデータを読み取る必要があります。

しかし、RFタグにはICチップが搭載されているため、無線通信で読み取れます。遠く離れている場所からでも、RFタグのデータを読み取れるのです。そのため、倉庫の高所にあるタグも簡単に読み取れます。

箱の中に隠れているタグを読み取れる

バーコードは印字をスキャンしなければいけません。そのため、箱の中の商品を検品する場合は1つ1つを取り出す必要があります。

しかし、RFタグであれば箱から開けずに中の商品をまとめて検品できます。RFタグのICが電波に反応するため、印字部分が見えていなくてもデータを読み取れるのです。

表面が汚れていても読み取れる

バーコードはテープが貼られたり、マジックペンで落書きされたりすると読み取ることができなくなります。

しかし、RFタグは傷や汚れが付いても読み取れます。RFタグの性能は永久的と言われているため、長期運用にもおすすめです。

RFIDを活用するデメリット

バーコードからRFタグに切り替えるには、コストがかかります。従来は、バーコードと比較すると価格が高いことがデメリットになっていました。

しかし、近年ではRFタグの価格が下がってきています。そのため、RFタグに切り替えて業務効率化をする企業が増えてきています。

RFIDのコスト

矢野経済研究所『RFIDソリューション世界市場に関する調査を実施(2022年)』によると、2021年度の市場規模は1兆2,188億円、2026年には1兆5,363億円にも及ぶといわれています。RFID技術は大きな注目を浴びており、RFIDタグの出荷量を増やすために、低コストの製品が開発されているのです。

このような需要から、RFIDタグの開発が各社で行われており、1枚100円程度だったタグが10円を切るまで低コスト化が進んでいる状況です。そのため、RFIDが導入しやすくなってきています。

 

RFIDタグの価格について詳しく知りたい方は、下記の記事をお読みください。

関連記事:『【更新】RFIDタグの価格は1円以下を実現!?気になるタグの最新価格動向と導入事例を徹底分析!

RFIDリーダーライターとは?

RFIDリーダーは、RFIDタグ(ICタグ)を読取る専用機器のことです。無線通信を行うことにより、RFIDタグに埋め込まれているICチップの情報を読み取れます。通常、読取りだけではなく、RFIDタグに情報の書込みが可能なため、RFIDリーダーライターとも呼ばれます。

RFIDリーダーライターの種類と価格

RFIDタグの読取りや書込みで必要となるRFIDリーダーライターは機能によって様々な種類があり、利用目的に応じて使い分ける必要があります。種類は大きく「ハンディ型」「据置型」「ゲート型」の3タイプがあります。それぞれの種類の特徴について理解しておきましょう。

■ハンディ型:20万円前後

ハンディ型は、持ち運んで使用できることが魅力です。店舗や倉庫での商品・在庫の棚卸しや探し物の探索におすすめです。従来は、RFIDリーダーとデータ処理する端末がセットになったライドオン型が主流でしたが、スマホの普及に伴い、スマホ搭載型のセパレート型が普及してきました。セパレート型は、データ処理する端末に対して、複数台のRFIDを同時に接続することができるため、複数人での読取り作業に適していますまた、スマホの端末にアプリケーションをダウンロードすれば、より高度なソリューションを利用できるため、ハンディリーダーを購入するのであれば、セパレート型がおすすめです。

■据置型:20万円前後

据置型はアンテナを接続して利用します。RFIDタグへデータ書込みする際には据置タイプを利用することが一般的です。最近では、入出荷検品や店舗のレジ決済などに活用されています。アンテナについてはこちらの記事で紹介していますので、ぜひご覧ください。→ 「RFIDアンテナとは?入出庫を自動読取りする最新製品を一挙公開

■ゲート型:数百万円

ゲート型は、主に物流倉庫に導入されることが多く、入出荷検品の大量一括読取りに利用されています。台車に積んだ商品やハンガーにかけた状態のままの商品を通過させることでRFIDタグの情報を読取れます。ゲート状の電波遮蔽板で覆われていますので、周囲のRFIDタグを誤読せず通過した対象物だけを読取れる構造になっています。

RFIDリーダーで読み込んだデータの読み書きを行うアンテナについて詳しく知りたい方は、下記の記事をお読みください。

関連記事:『RFIDアンテナとは?入出庫を自動読取りする最新製品を一挙公開

RFIDリーダーライター導入時の注意点

 RFIDリーダーライターの種類をご紹介しましたが、導入する場合は注意しなければならないこともあります。

①高出力RFIDリーダーは免許登録が必要

電波出力が250mW以下で特定小電力に分類されるRFIDリーダーは電波利用申請が不要で自由に使用することができます。しかし、1W以下の電波出力で高出力に分類される場合は無線局の免許登録が必要です。

②利用目的に応じたRFIDリーダーを導入

例えば、入出荷検品でRFIDリーダーを導入する場合は、ハンディ型とゲート型の2種類を検討することになります。ハンディ型を導入する場合は、周囲にあるタグまで読み込んでしまう場合もあるため、電波出力を落としたり、遮蔽ボックスに入れたりして読取るという方法があります。ハンディ型は、店舗の入出荷検品で用いられることが多いです。その一方で、倉庫など大量の入出荷がある場合は、ゲート型が用いられます。このようにRFIDリーダーは、利用用途によって最適な製品が異なるため、利用用途に応じたものを導入しましょう

③費用対効果が得られるかを考慮して導入

高価なRFIDリーダーを導入しても、それを業務に活かすことができなければ意味がありません。ハンディ型や据置型は比較的安価なものが多いですが、ゲート型のRFIDリーダーの中には、数百万円するものもあります。そのため、導入後の効果を算出して導入を検討しましょう。

普及するスマホ搭載型ハンディリーダー

RFIDシステムは「RFIDリーダー」「RFIDタグ」「アプリケーション」が必要となります。アプリケーションは、RFIDリーダーで読取りしたデータを集計処理するために必要不可欠で、PCやスマートフォン、POSレジなどにインストールして利用します。特に最近はスマートフォンにダウンロードして利用するタイプが人気を集めており、RFIDリーダーと一体型になった「スマホ搭載型ハンディリーダー」が人気です。

■スマホ搭載型ハンディリーダーが人気の理由

RFIDリーダーは、通信範囲内であれば、RFIDタグに対して情報の読込みや書込みができます。この通信距離はタグ等のスペックによって変動していますが、2019年時点では約10mです。距離は年々少しずつ伸びている状況です。RFIDリーダーとデータ処理のアプリケーションが一体化された「スマホ搭載型ハンディリーダー」では、手元の端末のみで簡単にタグ情報が管理できるため、店舗の棚卸しや入出荷検品におすすめです。

■高度なアプリケーションを利用可能

アプリケーションをダウンロードすることによって、RFIDの活用の幅は広がります。例えば、RFルーカス社の「Locus Mapping」は、ハンディリーダーでRFIDタグを読み取るだけで、在庫・物品の棚卸しだけではなく、各々の位置を自動取得してデジタルマップ上に表示できます。また探索機能は、スマホの方向センサーと連動させることで、RFIDタグの位置を水平・垂直方向にレーダー表示させます

 

スマホ搭載型ハンディリーダーの主要メーカーを一挙紹介

デンソーウェーブ

MADE IN JAPANの高品質のRFIDリーダーを開発しているメーカーとして、名前が挙がるのがデンソーウェーブです。同社のRFIDハンディリーダーである「SP1」は水平・垂直偏波を自動で切り替えるアンテナを独自開発していて、圧倒的な読取り速度や長距離読取り精度を実現しています。RFIDハンディリーダーは国内最大手で圧倒的なシェアを持ちます。有名ブランドのアパレルショップなどに導入した実績を多く持つメーカーです。

Bluebird

Bluebirdは韓国に本社を置き、世界120ヵ国以上で3,000社を超える導入実績を誇る産業用モバイルコンピューターのグローバルメーカーです。Bluebirdの最大の特徴は、各産業の専門家とエンジニアで現場環境を想定して製品開発に取り組み、信頼性とパフォーマンスの最大化に努め、顧客の期待を超える製品づくりに誇りを持っていることにあります。同社のRFIDハンディリーダーはZARAやH&Mなど大手アパレルで導入されており、ZEBRAに次ぐグローバルの大手です。

ZEBRA

ZEBRAは米国に本社を置き、時代の最先端を切り拓くパイオニアとして製品やソフトウフェアなどのソリューション開発をしているグローバルメーカーです。1969年設立の歴史が長いメーカーで世界10,000社を超えるネットワークを持っています。これらのネットワークを活用して、ユーザーや作業現場に役立つソリューションを開発しているメーカーです。RFIDハンディリーダーではグローバルの最大手です。

 

東北システムズ

東北システムズは、ユーザーの立場に応じた製品開発に努めているメーカーです。高性能なモデルや導入コストを抑えられるモデルなど豊富なラインナップが揃えられています。ZEBRAの代理店でもあり、様々なシーンに対して柔軟に対応するメーカーです。

アスタリスク

アスタリスクは大阪に本社を持つ新興企業ですが、主要取引先にはトヨタ自動車などの大手企業名が並んでいる実力のあるメーカーです。同社のAsReaderは直線偏波という読取り距離が長いタイプのハンディリーダーで、RFIDタグの向きが読みやすい方向に揃っている環境で大きな性能を発揮します。

 

まとめ

本記事では、RFIDリーダーについて解説しました。用途に応じて、最適なRFIDリーダーは異なります。そのため、自社の運用方法を良く検討した上で最適なRFIDリーダーを選択しましょう。この記事では、主要メーカーをご紹介しました。各メーカーは独自の特徴を持っていますので、自社の運用に合わせた最適なRFIDリーダーを選定しましょう。以下の動画も参考にしてみてください。