UHF帯RFIDとNFCとの違いは?RFIDの原理をわかりやすく解説!!

  • 2月 16, 2022
  • RFID

アパレル業界を中心に各業界で導入が進んでいるRFID。

今回の記事では、RFIDの通信原理、RFIDの周波数帯とその特徴、UHF帯RFIDを中心に各周波数帯の活用例をご紹介します。

RFIDの通信原理や各周波数帯の特徴を理解することで、目的に応じた最適なRFID製品が選べるようになります

RFID導入を検討されている方にとって重要なポイントですので、ぜひ最後までご覧ください。

 

RFIDとは

RFIDとは、RFIDタグとリーダーライター間で情報をやり取りする技術のことです。アパレル業界を中心に、様々な業界で活用されています。一例を挙げると、BEAMSは商品にRFIDタグを取り付け、商品の検品・仕分けの効率化を実現。RFID導入前に比べて、作業単体にかかる時間を「1/10」に減らすことに成功しています。

RFIDの概要は、こちらの記事で詳しく解説しています。

【更新】RFIDとは?仕組みや特徴、最新の活用事例をわかりやすく解説!

RFIDの通信原理

RFID(Radio Frequency IDentification)は、情報が埋め込まれたRFIDタグ(ICタグ)と、RFIDリーダーライター間で、近距離無線通信によって情報をやり取りする技術です。ここでは、RFIDの動作原理と通信の流れを解説します。

RFIDの動作方式

RFIDの動作方式には、「電磁誘導方式」と「電波方式」の2種類があります。

電磁誘導方式

RFIDリーダーライターのアンテナから放出された電磁波を、RFIDタグのコイルで受けて動作電力を得る方式です。コイルの磁界作用を利用した電力発生で、短い距離(数十cm)の通信を行います。交通系ICカードをイメージしていただくと分かりやすいと思います。

電波方式

RFIDリーダーライターのアンテナから放出された電波を、RFIDタグのアンテナで受けて動作電力を得る方式です。アンテナの共振作用を利用した電力発生で、電磁誘導方式に比べて長い距離(数m~)の通信ができます。

RFIDの通信の流れ

リーダーライターとRFIDタグは、以下のステップで通信が行われます。

【RFIDの通信の流れ】

ステップ

内容

リーダーライターからRFIDタグへ、電磁波(電波)を発信します。

RFIDタグのアンテナが、リーダーライターからの電磁波(電波)を受信します。

RFIDタグに電流が流れ、チップ内の情報を符号化します。

RFIDタグのアンテナから、リーダーライターへ符号化した信号を発信します。

リーダーライターのアンテナが信号を受信します。

リーダーライターが受信した信号を解析し、各種データ処理を行います。

RFIDタグには電池内蔵の「アクティブタグ」と、電池不要の「パッシブタグ」があります。

アクティブタグはパッシブタグに比べて高価であることに加え、電池交換作業が必要であることのデメリットがあります。

そのためパッシブタグが普及しています。

RFIDタグの導入する上での注意点や、おすすめのタグメーカーについて、以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。

RFIDタグの失敗しない選び方〜タグメーカーを一挙紹介〜

次にRFIDの各周波数帯の特徴を見ていきましょう。

RFIDの周波数帯とその特徴

RFIDでは、主にLF帯、HF帯、UHF帯、SHF帯の4種類の周波数帯が使用されます。

【周波数帯ごとの特徴】

電波法の表示

通信原理

周波数帯

通信距離

一般的な用途

LF

(長波)

電磁誘導

~135kHz

~10cm

RFID、LORAN(地上系電波航法システム)、標準電波(電波時計)、船舶無線電信、長波ラジオ放送・航空無線標識局・海上無線標識局など

HF

(短波)

電磁誘導

13.56MHz

~30cm

RFID、NFC、船舶・航空機通信、短波放送、アマチュア無線など

UHF

(極超短波)

電波

860~960MHz

~10m

RFID、携帯電話、PHS、タクシー無線、列車無線、TV放送など

SHF

(マイクロ波)

電波

2.45GHz

~2m

RFID、衛星通信、衛星放送、レーダー、電波天文・宇宙研究、無線LANなど

LF(長波)

LF(Low Frequency)帯は、通信に電磁誘導方式を使用します。他の通信帯と比較すると波長が長く非常に遠くまで伝わる特徴がありますが、通信システムの構築には大規模なアンテナと送信設備が必要なことから、薄型・小型化には向いていません

HF(短波)

HF(High Frequency)帯は、通信に電磁誘導方式を使用します。LF帯に比べて波長は短いですが、薄型・小型化が可能です。通信距離が短いため、近接エリアでの通信に適しています。Suicaなどの交通系カードに搭載されているNFC(Near Field Communication:近距離無線通信)は、HF帯の一つです。

UHF(極超短波) 

UHF(Ultra High Frequency)帯は、通信に電波方式を使用します。伝送できる情報量が多く、小型のアンテナと送受信設備で通信できることから、携帯電話やPHSなど、生活に馴染みのある通信機器で幅広く使われます。他の周波数帯に比べて通信距離が長いため、RFIDを活用した棚卸しや入出荷検品などの多くは、この周波数帯(920MHz周辺)が使われています

SHF(マイクロ波)

SHF(Super High Frequency)は、通信に電波方式を使用します。無線LAN(Wi-Fi)でも利用されている周波数帯を使用するため、電波干渉の懸念があり、対策を行う必要があります。伝送できる情報量が非常に大きいことから、主に放送の送信所間を結ぶ固定の中継回線、衛星通信、衛星放送や無線LANに利用されています

また、RFIDの通信距離については以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。

RFIDの通信距離に関する基礎知識と最新情報

各種RFIDの活用例

ここでは周波数帯ごとにRFIDの活用例を見ていきましょう。

【周波数帯ごとのRFID活用例】

周波数帯

RFID活用例

LF

スキーゲート、リフト回数券 、自動倉庫、食堂、回転すし精算、イモビライザー(自動車盗難防止システム)など

HF

交通系カードシステム、行政カードシステム、入退室管理システム等、NFCなど

UHF

商品検品・仕分け、在庫管理、物流管理、コンテナ内状況管理など

SHF

歩行者管理、所在(人・モノ)管理など

非常に遠くまで情報を伝えられる特徴を持つLF帯は、スキーゲートやイモビライザーなどの遠隔通信用に利用されます。

通信距離が短いHF帯は物理的な接触を伴う認証に、UHF帯は通信距離が数m以上あり小型化できる特性を活かして、検品や在庫管理などに用いられます。

SHF帯は多くの情報を送受信できるため、歩行者管理などの多くの通信データ量を伴う場合に適しています。

UHF帯RFIDとNFCとの違い

RFIDの主要な周波数帯であるUHF帯とNFCには、明確な違いがあります。

NFCとは

NFCとは、Near Field Communication(近距離無線通信)の略で、ソニーとフィリップスが共同で開発した近距離無線通信規格です。

NFCの特徴

周波数帯はHF帯が使われます。UHF帯とNFC(HF帯)の違いは、通信方式と通信距離。NFCは電磁誘導方式、UHFは電波方式です。NFCはUHF帯に比べて通信距離が短い代わりに、大気中に飛び交う電波の影響を受けにくいというメリットがあります。

NFCの利用用途

NFCは、外部からの干渉を受けにくい特徴があります。この性質を利用して、SuicaやICカードリーダーなど、高いセキュリティ性能が求められる用途に使われます。

RFIDタグの市場規模

みずほ情報総研株式会社の調査では、RFIDタグ(パッシブタグ)の世界中での市場規模は以下のように推移していくと予想されています。

【周波数毎のパッシブタグの市場規模(単位:十億個)】

周波数帯

2019年

2020年

2021年

2022

2023年

LF

2.54

2.71

2.87

3.17

3.51

HF

11.36

12.38

13.20

14.66

16.61

UHF

14.08

18.18

18.33

21.42

25.50

引用:みずほ情報総研株式会社

UHF帯はRFIDの中で最も主要な周波数帯です。市場成長率も他の周波数帯に比べて高く、業界をけん引していく周波数帯であることが伺えます。小型化が可能で通信距離を確保できるUHF帯は、ユニクロなどの大手アパレルメーカーが導入し、コンビニでも導入が検討されています。

UHF帯のRFID活用法

ここからは、商品・在庫管理において使用頻度の高い、UHF帯RFIDの活用法を見ていきましょう。

活用例①:入出荷検品

RFIDタグを商品へ取付ければ、ダンボール等に梱包されたままの状態でも一括読み取りできます。バーコードとは違い一点ずつ照合する必要はありませんので、入出荷検品にかかる時間を大幅に短縮できます。

在庫管理の最新動向は、こちらの記事で詳しく解説しています。

10分でバーコード・QRコード・RFIDを利用した在庫管理がわかる

活用例②:棚卸し

ハンディリーダーを活用すれば、5~10m程度の遠隔から瞬時にRFIDタグの情報を一括で読取れますので、棚卸しの作業時間を1/10程度に短縮できます。金属、熱、汚れに強い金属対応タグを取付ければ、金型・保守部品・治具・工具など製造現場における固定資産の棚卸しにも活用可能です。また、これまで1枚数百円と高額だった金属対応タグの価格は下がってきており、製造現場でもRFIDの導入が進んでいます。

RFIDタグ価格の最新動向は、こちらの記事で詳しく解説しています。

→ 「RFIDタグの価格は1円以下を実現!?気になるタグの最新価格動向と導入事例を徹底分析!

活用例③:探索・ロケーション管理

スマホ搭載のハンディターミナルを使って、瞬時にモノの位置を自動取得してデジタルマップに表示できる新たな在庫・物品管理システム「Locus Mapping」をRFルーカス社が提供しています。店舗・倉庫における在庫探索やピッキングの効率化、来店客による店舗の商品位置検索、棚割分析など幅広く活用できます。

 

また、人手を介さずに自動走行ロボットやドローンなどの自動化するソリューションとRFIDリーダーを組み合わせる技術も開発されており、今後の益々の発展が期待されています。

RFルーカス:Locus Mapping

サービス

まとめ

RFIDは、市場規模が年々拡大しており、導入を進める企業が増えています。

今回ご紹介したRFIDの通信原理や各周波数帯の特徴を理解することで、目的に応じた最適なRFID製品が選べるようになります。RFID導入を検討する際には、各周波数帯のメリット・デメリットを把握し、どの周波数帯が自社業務に最適か判断することが大切です

特にUHF帯RFIDは、「一括で、離れた所から、箱に入れたまま」で活用できるので急速に普及しており、業務を大きく効率化し、人手不足を解消するソリューションです。アパレルのような小売の在庫管理だけではなく、製造業の固定資産管理などでも幅広く活用できます。

まずは自社の運用を整理し、どこでRFIDを導入すれば効果的か検証してみましょう。以下の動画も参考にしてみてください。