【最新版】物流管理を効率化する方法を徹底分析!

大量生産のマスプロダクションと顧客の仕様に合わせたカスタマーゼーション、近年はこの二つの生産方式を組み合わせて、顧客の要望に応じながら大量生産する「マス・カスタマイゼーション」が拡大しています。

マス・カスタマイゼーションに取り組む企業は、低コストと柔軟なパーソナライゼーションを実現する一方で、商品の情報量が大きく増えることで、物流に関する様々な問題が生じました。

本稿では、物流管理の現場に生じる様々な問題や課題を解決する方法に焦点を当てて解説していきます。

効率的な物流管理の推進にお役立て下さい。

物流管理とは?目的や指標について

まずは、そもそも物流とは何なのかを簡単に解説していきます。

物流とは

日本工業規格(JIS)によれば、

物流・・・物資を供給者から需要者へ、時間的及び空間的に移動する過程の活動

と定義されています。

物流管理とは、供給者と需要者間のモノの流れを可視化し、最適化する作業のことです。

参考資料:JISZ0111:2006 物流用語

物流管理の目的

では、なぜ物流を管理する必要があるのでしょうか?

物流サービスの質を守る

物流管理の第1の目的は、物流サービスの質を守り、生産性を高めることです。

また、注文されたもの(商品の品質と数)を注文された通りの方法(梱包)で、納期通りに納品することは顧客の信頼に繋がります。信頼が積み重なっていけば、より大口の受注にも繋がります。

欠品や余剰在庫発生を防ぐ

欠品が生じれば生産ラインが止まり、売上を大きく落とすことになります。

反対に、余剰在庫が生じれば保管や管理に余分な費用が必要です。

適切な量を適切なタイミングで納品することが求められます。

物流コストの削減

物流を最適化することは、上記の欠品や余剰在庫による余分な費用の発生を抑えることができます。

そして、配送トラックのドライバーや配送センターの従業員を雇う費用も物流に伴う経費になります。物流管理によって、こうした物流コストを削減することができれば、企業利益に繋がります。   

物流管理における課題

作業量の増加と人手不足

近年、製造業に携わる人の数は減少傾向にありますが、上述したマス・カスタマイゼーションの流れや、電子商取引(EC)の進展により、物流に関する作業量は増加傾向にあります。

つまり、物流の現場では、これまでより少人数で大量の商品を輸送しなければなりません。

作業の属人性が高い

作業のキャパシティオーバーに伴い、「作業の属人性が高い」という問題が顕在化しました。

物流の現場において、時にベテラン作業員にしか分からない方法(場所が共有されていない紙面上、記憶頼みなど)で情報が管理されることがあります。こうした場合、ベテラン作業員抜きでは現場を回せなくなってしまいます。

また、作業の複雑化に伴い、ベテラン作業員と新人に大きな能力の差が生じています。結果として、人員配置によって作業の進捗が大きく左右されることも問題となりました。

空間的・時間的無駄

・トラックから別のトラックへの積み下ろし、積み込み作業に掛かる時間
・余剰在庫により生じる管理コスト、空間の占有
・ミスの発生、返品リスク
・配送スケジュールの無駄(往路で沢山運ぶも、復路で空のトラックを走らせる)

上記のような様々な無駄を減らし、効率的な物流管理が求められます。

効果的な物流管理を行うために

効果的な物流の鍵は、徹底的な情報の可視化とスケジュール管理にあります。

以下では、これらを実現するための考え方やソフトウェアなどの各種ツールを紹介していきます。

KPI

KPI(Key Performance Indicator)とは、目標達成のプロセスの中で最も重要なプロセスを数値化した指標のことです。

例えば「来年度の利益を今年度の1.5倍にする」という目標があるとします。

KPI を導出するために、まず「利益1.5倍」という目標を達成するためのプロセスを列挙していきます。製品ごとの利益率を高める、受注を増やすなどです。

列挙した各プロセスの中で目標達成に最も寄与するプロセス(例えば、受注を増やすこと)を決定します。経営マネジメントの世界では、このプロセスを KSF(Key Success Factor)と呼びます。

KPIとはKSFを数値化したものです。「受注を増やすこと」が KSFならば、KPI は「月間受注数」になります。

KPI の導出にあたっては、目標達成のためにプロセスを分解し、分かりやすく可視化することが重要です。

参考資料:KPIとは? 意味、設定方法、OKRとの違い、コツ、例、人事のKPI例について【KGI・KFSとKPIの関係とは?】 – カオナビ人事用語集

物流KPI

物流KPIは KPIの考え方を物流に適用したものです。物流の「コスト・生産性」、「品質・サービス」、「物流・配送条件」などが適切に管理されているか、を判断できるようにします。

物流KPI の例を幾つか挙げていきます。

「コスト・生産性」を評価したい場合には、以下のような物流KPI が用いられます。

・人時生産性(庫内作業)= 処理ケース数 ÷ 投入人時
・数量当たりの物流コスト = 物流コスト ÷ 出荷数量

「品質・サービス」では、

・汚損壊率 = 汚損壊発生件数 ÷ 出荷指示件数(受注数)
・誤出荷率 = 誤出荷発生件数 ÷ 出荷指示件数(受注数)

「物流・配送条件」では、

・配送頻度 = 配送回数 ÷ 営業日数
・納品待機時間 = 納品先における待機時間の平均

などが物流KPIです。

参考資料:詳細版_物流事業者におけるKPI導入の手引き | 国土交通省

物流KPIを定めるときには、自社物流管理の中の最も重要なプロセスを明確化する必要があります。このような業務プロセスの見直しも物流KPIの大切な要素です。

他社の物流KPIや国土交通省が示す物流KPIをそのまま用いても意味はありません。

物流KPIは利用目的に応じて、適宜設定することが重要です。

物流管理システム

物流管理システムは、物流管理に必要な「物資の位置情報」や「配送スケジュール」を管理します。ソフトウェアの観点から物流管理の精度や効率改善が可能です。

ECサイトの普及や多品種生産の潮流の中で、より効率的な物流管理ニーズが高まっており、導入が進められています。

WMS(倉庫管理システム)

WMS(倉庫管理システム)は、倉庫内物流の効率化を目的としたシステムです。

WMSは在庫数を正確に把握し、物流管理に必要となる物資の位置情報管理をアシストします。

詳しくは以下をご参照ください。

WMS(倉庫管理システム)とは?WMSの有効な活用方法とおすすめのWMS6選をご紹介! | Locus Journal

在庫管理システムについて

庫内物流に機能を限定したWMSに対し、在庫管理システムは「倉庫の外側から見た倉庫への流入、流出」を管理します。物流管理における役割はWMSと同じです。

詳しくは以下のリンク先をご参照ください。

在庫管理とは?基本から効率化するツールまで徹底解説 | Locus Journal

TMS(輸配送管理システム)

TMS(輸配送管理システム)は、物流センター全体を管理するシステムです。配車の台数、スケジュール管理や物流センター内の在庫状況管理などを担います。

バーコード管理

ここまでは、ソフトウェア的観点から物流管理の効率化をサポートするツールを紹介しました。以下からは、ハードウェア的観点から物流管理をサポートするツールを紹介していきます。

バーコード・QRコード

バーコードとは、機械が光学的に読み取りやすいように規格化された一次元情報識別子です。スーパーやコンビニで広く使われています。

またQRコードは、バーコードを2次元化したもので、バーコードよりも多くの情報を格納できます。スマートフォンのカメラ読み取り機能と共に普及しました。

物流管理においても、バーコードやQRコードが活躍しています。

物流管理には物資の位置情報について正確な把握が必要です。倉庫内や物流センターにおける物資情報管理のためには、検品作業量が膨大になります。

そこで、バーコードやQRコードが有効に機能します。製品情報がバーコードやQRコードで記載されていれば、検品作業の効率化が可能となり物流管理に係る人的コストを低減できます。

バーコード・QRコードの活用法やその効果については、以下をご参照ください。

10分でバーコード・QRコード・RFIDを利用した在庫管理がわかる | Locus Journal

RFID

RFID(radio-frequency Identifier)とは、無線通信を用いた情報読み取り技術を指します。

記録された情報を、機械で読み取る点はバーコードと同じです。しかしRFIDの場合、遠隔から、一度に大量の情報を読み取ることができます。

RFIDを用いることで、バーコードやQRコード以上の効率向上が可能です。

RFIDとは?最新動向と活用事例を解説! | Locus Journal

物流アウトソーシング(3PL)

効率的な物流管理には、上記のようなソフトウェアや人的資源などのインフラ整備が欠かせません。しかし、これらインフラの拡充には時間と費用が必要になります。

インフラ整備が大変であれば、物流事業の一部(または全部)を外部委託(アウトソーシング)する、というのも一つの手です。物流事業をアウトソーシングすることで、自社のコア事業に資源の集中を図ることができます。

こうした物流事業のアウトソーシングを3PL(third-party logistics)と呼びます。コア事業へ資源を集中させるという流れは世界的に広まりつつあり、今後も3PLは拡大していくでしょう。

ただし、3PLには受託企業との連携が不可欠で、顧客との距離が開いてしまうという欠点もあります。

外部委託といえど丸投げせず、物流事業を俯瞰的に管理し続けることが大切です。3PLのメリット・デメリットを正しく理解して活用しましょう。

3PLについて詳しくは以下で解説しています。

3PL(サードパーティ・ロジスティクス)とは?評判の物流会社も紹介! | Locus Journal

まとめ

物流に関する様々な課題や、それを解決する物流管理の方法・システム・ツールについて紹介していきました。

新型コロナウイルスをきっかけに、脆弱なサプライチェーンが課題として浮かび上がっている昨今、物流管理は益々重要になっていきます。

物流管理用各種ツールのメリット・デメリットを理解して、自社に合った物流管理を推進していきましょう。