業務改善のアイデア13選|具体的な成功事例とともに紹介

  • 11月 29, 2023
  • RFID

業務改善の取り組みは企業経営にとって欠かせないものとなりつつあります。しかし、具体的にどのような手段を講じればいいかわからない、自社に最適な方法がわからないという方も多いのではないでしょうか。

一口に業務改善といっても、目指すゴールや目的、企業が置かれている状況や捻出できるコスト、リソースなどによってとるべき方法は異なります。そこで、今回はさまざまな視点から業務改善に役立つアイデアを紹介します。実際に業務改善に取り組み、高い成果を挙げた企業の事例もあわせて紹介していきます。

業務改善とは

業務改善とは、自社の業務内容や生産プロセスにおける問題や課題を洗い出し、見直すことで、業務効率の改善を図り、生産性向上を目指す取り組みを指します。近年では、働き方改革の推進や労働生産人口の減少に伴う人手不足などの背景から、業務改善に積極的に取り組む企業も増えつつあります。

では、業務改善の施策には具体的にどのようなものがあるのでしょうか。今回は、「業務の可視化」「ITツールの導入」「コア/非コア業務の選別」「人員配置や環境整備」の4つの視点から、業務改善に役立つアイデアを紹介していきます。

業務改善に役立つアイデア【業務の可視化】

まずは、「業務の可視化」に関するアイデアを4つ紹介します。

業務をマニュアル化・標準化する

業務改善を行ううえで多くの企業が利用している方法として挙げられるのが、「業務のマニュアル化」です。マニュアルを整備し、業務の標準化を図ることで、業務の属人化を防ぎ、業務効率や作業スピードの向上が見込めます。マニュアルは、誰が見ても理解しやすいよう、文字だけでなく、図や表を用いて作成するのがポイントです。わかりやすいマニュアルが作成できれば、教育や研修などにかかる時間的コストや人的リソースの削減も期待できます。

マニュアルの整備には、時間や労力がかかります。しかし、一度作成すれば手直しを加えながら長期的に活用できるため、業務改善には非常に有用なツールといえます。すでにマニュアルがある場合は、業務改善の取り組みに合わせて内容を見直し、実情に合う形に再編し直すとよいでしょう。

業務のフローチャートを作成する

業務の全体像と流れを把握できるよう「フローチャート」を作成するのも効果的です。フローチャートとは、どのような業務をどのように進めるかを可視化した図表です。明確でわかりやすいフローチャートがあれば、新入社員や異動してきた社員などへの教育・研修などの時間を削減できます。

フローチャートは、業務マニュアルとあわせて作成するのがおすすめです。全体業務をフローチャートで把握しながら、詳細な内容をマニュアルで確認するなど、より効率的に業務が進められます。

情報・ナレッジを共有する

徹底した情報共有・ナレッジ共有が、業務改善につながるケースは多くあります。例えば、スムーズな情報共有ができれば、コミュニケーション不足に起因するミスや、確認等にかかる工数、時間が減り、業務効率のアップが見込めます。

また、業務に関するナレッジの蓄積・共有が全社または部署単位でできれば、業務の属人化の解消やスキルの標準化、サービス品質の向上などの効果が期待できます。

タイムマネジメントを適正化する

時間配分を細かく設定し、優先順位の高い業務から集中して取り組むことで、業務スピードや業務効率の向上が見込めます。個々の作業時間を把握できるタイムトラッキングツールを活用すれば、業務にかかる時間を正確に把握でき、無駄や改善点が見つけやすくなります。

また、時間を決めて業務を進めることで、省略が可能な業務や削減しても問題ない業務が明らかになるケースもあります。

業務改善に役立つアイデア【ITツールの導入】

「ITツールの導入」に関するアイデアを紹介します。

RPAを導入する

RPAとはRobotic Process Automation(ロボットプロセスオートメーション)の略称で、ソフトウェアロボットによる業務の自動化を意味します。

業務の中には単純作業や反復作業など、人手をかけなくてもよい業務があります。このような定型業務をRPAにより自動化すれば、大幅な業務量低減が見込めます。従業員がコア業務に集中できる時間も増えるため、業務効率化や生産性向上も期待できます。

ツールやシステムを導入する

業務改善に寄与するITツールやシステムは、近年数多く登場し、さまざまな場面で活用されています。自社の課題や問題に合うITツール・システムを選択し、適切に導入できれば、業務改善の取り組みが大幅に進むでしょう。

例えば、タスク管理ツールを導入すれば、業務内容、進捗などが可視化され、業務効率アップが期待できます。また、社内の情報共有や業務連絡にビジネスチャットツールを導入すれば、社内コミュケーションの円滑化や活性化につながります。

ITツールやシステムはやみくもに導入するのではなく、自社の課題解決や目的に合うものを選択しましょう。また、実際に導入する際は、現場へ対応を丸投げするのではなく、運用や定着化までのフォローをしっかりと行うことが重要です。

クラウドで情報共有する

情報共有をクラウド上で行えば、インターネットを通じて、パソコン、スマートフォン、タブレット端末などあらゆる媒体から情報にアクセスできるようになります。

情報へのアクセスが容易で、かつ、従業員同士の情報の受け渡しにも手間がかからないため、大幅な業務効率化につながります。社内にいなくても、場所や時間を問わず必要な情報を閲覧できるので、リモートワークなど多様な働き方を推進する際にも役立ちます。

データベースを活用する

顧客やプロジェクト等の情報管理にデータベースを活用すれば、情報を探す手間が短縮され、業務スピードのアップが期待できます。情報の整理や分析もしやすくなるため、意思決定の質やスピードも向上します。

業務改善に役立つアイデア【コア/非コア業務の選別】

「コア/非コア業務の選別」に関するアイデアを3つ紹介します。

無駄な業務を削減する

不要な業務の削減は業務改善において真っ先に考えるべきポイントです。不要な業務とは、例えば以下のような業務を指します。

 

  • 慣例として行われているが、その業務を行う目的が誰にもわからない
  • その業務を無くしても支障がない
  • その業務を行うことで無駄な人手や時間、コストがかかっている

 

このような業務を徹底して削減・廃止することで、従業員が本来行うべき業務に集中できるようになります。

業務の優先順位を明確化する

業務に優先順位をつけ、集中して取り組むことで業務効率がアップするケースも多くあります。

優先順位をつける際は、難易度が高い、時間や手間がかかるなど、後回しにしがちな重い業務から取り組むのがおすすめです。負担の大きい業務を先に処理しておけば、時間や精神面に余裕ができ、突発的な事態やイレギュラーな事態が発生した場合でも柔軟に対処できます。

アウトソーシングを活用する

自社だけで業務改善の推進が難しい場合は、該当業務を外部企業へアウトソースするのもおすすめです。特定業務に特化した外部企業に業務を任せることで、業務効率やコストパフォーマンスアップを実現した企業も多くあります。

特に単純な定型業務やノンコア業務は、アウトソーシングとの相性がよく、従業員がコア業務に専念しやすくなるメリットが見込めます。また、外部から専門的なスキルやノウハウを取り入れるため、アウトソーシングを活用する事例も増えています。

業務改善に役立つアイデア【人員配置や環境整備】

最後に「人員配置や環境整備」に関するアイデアを2つ紹介します。

業務の担当者を変更する

業務の担当者を変更することで業務改善が進んだケースも数多くあります。人にはどうしても得手不得手があり、当然ながら、得意な業務を担当した方がパフォーマンスは高くなります。

機械的に人員配置を行うのではなく、メンバーの特性やスキル、現時点でのパフォーマンスを考慮した人員配置を行うと、業務効率や生産性が向上する可能性が高まります。

テレワークを導入する

業務の内容や性質に合わせて、テレワークを導入し、労働環境を整備するのも業務改善策の一案として挙げられます。

テレワークを導入することで、従業員の通勤や移動にかかる負担が軽減します。ストレスや疲労も少なくなり、集中して業務に取り組める時間も増えるため、生産性やパフォーマンスの向上も期待できます。

企業にとっても、通勤やオフィスにかかるコストの削減が見込めるメリットがあります。

業務改善の成功事例

ここからは、企業が実際に取り組んだ業務改善の成功事例を紹介します。

ファーストリテイリング:RFIDの導入

ファストファッションの先駆け的存在であり、海外進出も積極的に推進しているファーストリテイリング。同社の中核ブランドであり、年間13億着以上の衣料品を製造販売するユニクロでは、製造から輸送、販売までの各工程における無駄を排除し、サプライチェーン全体の効率化を目指していました。

しかし、商品がどこでどのくらい作られているか、倉庫からいつ届くか、バックヤードや倉庫内にどのくらい在庫があるかなどの把握ができていない問題を抱えていました。また、把握のために多くの人手やコストを投入しなけれぱならない点も課題としていました。

そこで同社が導入したのが「RFID」を活用したサプライチェーン全体の業務改善でした。生産・物流・店舗運営など、各工程にRFIDを活用したことで、以下のような大幅な業務改善効果が得られました。

 

  • 生産時に商品にRFIDタグを貼り付けることで、在庫情報の把握が瞬時にできるようになった
  • RFID導入とともに、物流システム全体の改革を行うことで人的作業が減少、ミスのないオペーレーションが可能となり、コスト削減に繋がった
  • RFIDタグの一括読取、精算が可能な無人レジを導入することで、レジ業務の効率化に成功。顧客満足度の向上にも繋がった
  • 検品業務や棚卸業務などにかかる作業時間の大幅な削減が実現した

 

関連記事:『RFIDタグを導入したユニクロから学ぶ他業界RFID活用のヒント

三井住友生命:業務可視化

保険商品の販売を中心に、保険金支払い、資産運用などの業務を行う三井住友生命。同社の保険事務全般を担う事務センターでは、業務の属人化やベテラン担当者の定年退職等による業務継承を課題として抱えていました。

そこで、業務改善の一手として、事務センター全体を対象とした大規模な見える化プロジェクトを実践しました。「事務手順」「業務実績」「業務運営状況・改善活動」「相互支援」の4つを中心とした徹底した見える化を実施。課題であった属人化が解消され、安定した組織運営基盤が確立されました。

さらに、残業時間や無駄な空き時間の削減、処理時間の短縮、ミスの減少など、定量的にも大きな効果が得られ、業務品質の向上にもつながりました。

 

関連記事:『業務可視化サービス導入事例 三井生命保険株式会社様

ダイキン:RPAの導入

家庭向けエアコン、業務用空調機などで国内外で高いシェアを誇るダイキン。

ダイキンは、2020年に間接部門の工数30%以上削減を目指すプロジェクトを始動しました。その施策の一環として、繰り返しの多いバックオフィス業務のRPAによる自動化に着手。経理などのバックオフィス部門を中心に導入を進めた結果、わずか一年半という短期間でRPAの全社展開と累計10万時間の作業自動化を成し遂げました。

RPA導入により、大幅な業務時間の短縮、作業効率アップが実現し、入力ミスの削減や業務の属人化解消にもつながっています。

 

関連記事:『ダイキンがRPAで年間10万時間を自動化、対象作業で分かる全社展開のコツ

ネスレ日本:IoTの導入

キットカットやネスカフェなどの食品飲料からペットフード、栄養補助食品など幅広い事業展開をしているネスレ。

国内生産拠点の一つである島田工場では、積み込み待ちのトラックに長い待機時間が生じているという課題を抱えていました。待機時間が発生する原因として考えられていたのは、トラックの配送先が工場に到着するまでわからず、出荷準備に時間を要するという点でした。

これらの課題を解決するために導入されたのが、ビーコン技術を活用したIoTシステムの導入でした。配送業者や倉庫業者と連携したシステム開発を行い、わすが3週間でシステム運用がスタートしました。

IoTシステムの導入により、次に来るトラックの行き先が把握でき、出荷の事前準備が可能となりました。その結果、待機時間の3割削減を実現しました。

 

関連記事:『ネスレ日本がIoTで物流課題を解決、実装まで約3週間の高速開発の秘訣

ポジウィル:CRMツールの導入

ポジウェルはキャリア支援サービス「POSIWILL CAREER(旧:ゲキサポ!キャリア)」を運営するベンチャー企業です。日本初の転職トレーニングサービスとして注目を集め、2017年の設立以降、順調に利用者実績を伸ばしています。利用者や問い合わせ数の増加とともに以下のような課題が表面化したため、顧客管理や商談管理が可能なCRMツールの導入を決定しました。

 

  • 手動で行っている面談設定に対応しきれない
  • メールマーケティングの効果測定が不十分
  • 商談管理がブラックボックス化している

 

CRMツールの導入により、面談設定が自動化され、同じ人数で3倍の問い合わせ対応が可能となりました。また、顧客情報が1箇所に集約されたため、ステータス管理やリスト作成の効率も上がりました。

さらに、自動化により工数のかかる業務の削減が実現し、データ分析や戦略設計などのコア業務に十分な時間を費やせるようになったのもツール導入の大きな効果といえます。

 

関連記事:『CRMツール導入事例(ポジウィル様)

花山うどん:マニュアル作成ツールの導入

群馬県や東京都を中心に飲食店舗や直売所を有する花山うどんでは、以下のような課題を抱えていました。

 

  • マニュアルが店舗によりバラバラに作成され、統一されたオペレーションマニュアルがない
  • せっかくマニュアルを作成しても共有・閲覧がされない

 

新店舗のオープンを間近に控えていたため、マニュアル作成は急務とされていました。そこで導入したのが、直感的に作成でき、共有もスムーズにできるマニュアル作成ツールでした。ツール導入後、業務の標準化、従業員への周知を積極的に行いました。

統一されたマニュアルが完成し、共有されたことで、これまで本部が対応していた問い合わせ数や、対応にかかっていた工数の削減に成功しました。また、タブレットでのマニュアル閲覧が可能となったため、紙でマニュアルを出力する手間やコストも減りました。

 

関連記事:『導入事例・花山うどん様 | オンラインマニュアル作成・運用サービス

バンダイナムコ:文書管理システムの導入

大手玩具メーカーのバンダイナムコ。同社では、海外展開企業も含めたグループ全体の内部統制文書の収集・評価・承認業務がシステムで一元管理されています。しかし、従来のシステムには、過去のデータが探しにくい、ユーザーIDの二重管理が必要など、使い勝手の悪さ、運用の煩雑さや非効率さが課題として存在していました。

そのような課題を解決すべく、データ検索がしやすく、フレキシブルでユーザビリティの高い新システムへの切り替えに着手しました。ユーザーの声を反映しながら、システム構築・導入を進めた結果、特にユーザーメンテナンスに関わる作業がスムーズになり作業効率が大幅にアップしました。

 

関連記事:『バンダイナムコホールディングス様事例|内部統制に関わる業務を効率化|文書管理

ブリヂストン:環境整備による業務改善

世界最大級のタイヤ製造、ゴム加工会社であるブリヂストンでは、労働時間削減やデジタル機器の積極的な導入など、さまざまな業務改善に取り組んでいます。

その中の取り組みの一つとして行われているのが「オフィス環境の整備 」です。横浜にある化工品技術センターの全面リニューアルをはじめ、本社食堂のリニューアル、企業内保育所の設置など、設備面の整備に力を入れています。

また、「立ったまま短時間で」「2人だけで」など用途にあわせて選べる会議スペースの増設にも着手。仕事の質や効率性が向上し、従業員からも高い評価を受けています。

 

関連記事:『株式会社ブリヂストン:働き方・休み方改善取組事例

まとめ

業務改善にはさまざまなアイデア、手法があります。やみくもに導入するのではなく、業務改善によってどのような成果を得たいか、どの程度のコストやリソースが割けるかを事前に十分検討した上で、自社にとって最も効果的な方法を選択しましょう。

また、業務改善は一朝一夕に成し得るものではありません。すぐに成果や効果が出ないからといって投げ出さず、継続的に取り組むことが重要です。