業務改善が失敗する理由とは?事例や成功に導くポイントを解説!

  • 1月 19, 2024
  • RFID

生産性向上や業務効率化、従業員満足度の向上など、さまざまな目的で業務改善に取り組む企業が増えています。しかし、思ったような成果が出ない、改善プロジェクトがうまく進まないといった事態に陥っている企業も多いのではないでしょうか。

 

今回は、業務改善でよくある失敗事例や失敗の原因について解説します。業務改善を成功させるための具体的なステップや取り組む際のポイントについても詳しく紹介します。

 

業務改善でよくある失敗事例4選

成功すればさまざまなメリットが見込める業務改善ですが、事前の準備や検討、選択を誤ると、改善効果が出ない、コストだけ余計にかかったなど、失敗に終わることもあります。

 

ここからは、業務改善でよく起こる失敗事例を4つ取り上げ、解説します。

 

現場負担が増加してしまった失敗事例

A社では業務改善の一手として、ITツールの導入を行いました。導入後、現場の従業員にはマニュアルを渡し、業務改善の方法や使用手順の決定などの判断はすべて現場に委ねました。

 

しかし、手渡したマニュアルは内容が高度で、実際の業務フローに沿うものではありませんでした。そのため、現場の従業員はマニュアルを読み解く作業に余分な時間を要し、ツール導入以前より、業務負担が増える事態に陥りました。

 

現場へのフォローも手薄であり、ツールの適切な使用もできない状態が続いたため、結局新しいツールは活用されず、元のワークフローに戻ってしまいました。

 

業務改善ツールの選択ミスによる失敗事例

業務改善のため、ITツールやシステムを導入する企業が増えつつあります。

 

B社でもITツールの導入を進め、実際に運用をスタートしました。しかし、現場の従業員からは「難易度が高すぎる」「使いたい機能がない」「導入の意図がわからない」など、多くの不満の声が上がりました。

 

不満が上がった要因は、システムの選択基準にありました。B社では、多くの企業が使っているもの、有名なものという基準のみを重視し、自社の実態や問題に即したツール選択ができていませんでした。

 

ITツールやシステムは、適切に選択し、利用すれば、業務改善の効果が大きく感じられるものです。しかし、現場の声や意見を反映せず、知名度や周囲の評価だけで決定してしまうと、投資額に見合う効果が得られない、そもそも利用されないなどのリスクが高くなります。

 

限定的な業務改善が軋轢を生んだ失敗事例

C社の営業部は、業務改善に積極的で、さまざまな取り組みに着手してきました。業務プロセスを見直し、改善策に取り組んだ結果、営業部の業務効率化に成功しました。部内からは業務負担が減った、残業時間が減ったなど、好意的な声が聞かれました。

 

しかし、営業部の業務に関連する他部署では、営業部の独自の業務改善により、業務負担が増える、プロセスが煩雑となるなどの事態が生じ、従業員からも不満の声があがりました。

 

他部署に影響がある業務の改善を行う際は、取り組みを進める前に、関連部署や企業全体にどのような影響があるかを俯瞰して考える必要があります。十分な検討や調整を行わないまま進めてしまうと、あとになって問題が生じたり、途中で計画が頓挫したりする可能性が高くなります。

安易なリモートワーク導入が招いた失敗事例

D社では、業務改善の取り組みの一環として、リモートワークを導入しました。新型コロナウィルスの感染拡大の影響もあり、準備期間や検討期間が十分でない中での導入でした。表面上はワークライフバランスが整い、残業時間も削減され、業務改善が順調に進んでいるように見えました。

 

しかし、現場では「円滑なコミュニケーションが図れない」「従業員の勤務態度や勤務時間が把握できない」「仕事の割り振りがしにくい」など、多くの不満や混乱の声が上がりました。結果として、コロナ禍の収束ともにリモートワークは縮小され、業務改善に取り組む以前の状態に戻ってしまいました。

 

D社の失敗要因は、リモートワークによって生じる恐れのある問題点を十分想定できなかった点、問題の回避策や改善策を講じないままリモートワークを導入した点にあると考えられます。コミュニケーションツールの確保、オンライン上でのタスク管理方法の確立、管理者の教育など、リモートワークによって生じる物理的な距離を埋める施策を講じなければ、従業員の混乱や業務効率の低下を招くだけで、本質的な業務改善につながらないといえます。

 

業務改善が失敗する原因

業務改善が失敗する原因にはどのようなものがあるのでしょうか。詳しくみていきましょう。

ゴール設定が不明確

業務改善におけるゴールが不明確なまま取り組みを進めてしまうと、方針にブレが生じる、現場で混乱が起きる、従業員からの積極的な協力が得られないなど、業務改善がうまく進まない可能性が高くなります。

 

そのため、業務改善を行う際は、なんのために業務改善を行うのか、どのような成果を期待して業務改善に取り組むのか、目的や目標を明確に定めることが重要です。目標は定性的なものだけでなく、具体的な数値を入れた定量的なものを設定するとより効果的です。

 

業務の可視化や問題点の洗い出しが不十分

業務改善において、業務の可視化や問題点の洗い出しは非常に重要なステップです。現状の業務フローや自社の抱える問題点を正確に把握しないまま業務改善を進めてしまうと、本質的な問題を見逃してしまったり、重要度や緊急度の高い問題があと回しになってしまったりするリスクがあります。

 

そのため、可視化や問題点の洗い出しは特に時間をかけて丁寧に行う必要があります。うまく進まないときは、フレームワークやITツールを活用するのもおすすめです。

 

自社に合うツール選択ができていない

ビジネスチャットツールやタスク・プロジェクト管理ツールなど、業務改善に役立つツールは数多く開発、販売されています。知名度が高いから、みんなが使っているからなど、よく検討しないまま安易な理由で導入してしまうと、従業員から不満が出たり、混乱を招いたりする可能性があります。

 

ITツール導入の際は、機能や特徴、コストなどを考慮し、自社の問題解決につながる適切なツール選択をすることが重要です。

 

ITツール導入後のフォロー不足

ITツールを導入しただけで満足してしまい、その後の対応を現場に丸投げしてしまったり、適切なサポートやフォローを怠ったりすると、業務改善はうまくいきません。特に、従業員の業務負荷が一時的に増加するツール導入時は、手厚いフォローやサポートが必要です。

 

運用方法や使い方のフォローはもちろん、ITツールを導入する目的や、ツール導入によってどのような業務改善効果が見込めるかをあわせて伝え、従業員の理解や協力を得る努力をしましょう。

 

失敗しない業務改善の進め方とポイント

業務改善は一般的に以下の流れで進めていきます。

 

  1. 業務の可視化
  2. 問題点の洗い出し
  3. 改善計画の策定
  4. 計画の実践
  5. 振り返り

 

それぞれのステップで注意する点や業務改善を成功させるために重要なポイントについて解説します。

 

ヒアリングは丁寧に時間をかけて行う

業務改善を成功させるためには、業務の現状を正確に可視化し、自社の抱えている問題を適切に把握することがなにより重要になります。

 

業務の可視化や問題点の洗い出しを行う際は、ヒアリングやアンケートなどを通して、広く従業員の声や意見を集めるのが効果的です。経営層の把握していない業務や認識していない課題が明らかになるケースも多いため、時間をかけて丁寧にヒアリングを重ねるのがおすすめです。

 

具体的でわかりやすい目標を設定する

業務改善に取り組む際には、具体的でわかりやすい目標を設定することが重要です。具体的でわかりやすい目標とは、定量的で、誰がみても理解できる目標を指します。

 

例として、業務改善によって、「業務効率を向上させ、残業時間や人件費を減らす」という目標を立てるケースを考えてみましょう。

 

  1. 業務改善に取り組むことで、業務効率を劇的に向上させ、残業時間と人件費の大幅な削減を目指す
  2. 業務改善に取り組むことで、業務時間の3割削減し、業務効率アップを目指す。残業時間を現状の20時間から10時間まで削減し、人件費の2割削減も目標とする

 

1のように抽象的な表現をすると、読む人によって解釈に齟齬が起きる可能性が高くなります。業務改善の目的が具体的にイメージしにくいため、従業員からの理解を得にくく、必要な協力が得られないというリスクも懸念されます。一方、2のように数値を用いて定量的にわかりやすく表現すると、読み手に改善も目的が正確に伝わり、取り組みへの理解も得やすくなります。

 

経営層と現場の視点を合わせる

目標が定まったら、業務改善を行う業務やプロセスを明確にしていきます。その際、経営層と現場従業員では、業務改善への目的やモチベーション、認識している課題に温度差や乖離がある点を忘れないようにしましょう。

 

現場の意見を汲まないまま、トップダウンで業務改善を進めてしまうと、混乱が起きたり、不満の声が上がったりと取り組みがうまくいかない可能性が高くなります。業務改善に取り組む際は、ヒアリングなどを通して十分にコミュニケーションを取り、双方の認識や視点をすり合わせておくことが重要です。

 

7つの視点から具体的な改善策を検討する

業務の可視化や問題点の洗い出しが終わったら、自社が抱える問題や課題を解決するための具体的な改善案を検討します。以下の7つの点に着目して検討を進めると、効果的な改善案が出やすくなります。

 

  • 廃止:業務や作業をやめる
  • 集約:タイミングや場所をまとめる
  • 代替:作業手順や担当者を入れ替える
  • 移管:業務をアウトソースする
  • 標準化:マニュアルを作成する
  • 簡略化:業務の工数を減らす
  • 自動化:ツールやシステムを導入する

 

7つの中で、低コストで、比較的早く改善効果が出るのは「廃止」です。そのため、検討を行う際は、その業務が必要か、やめられないかを最初に考えます。

 

基本的には上から順番に検討を進めていくと効率的であるとされていますが、改善対象となる問題や業務の内容などによって、柔軟に順番を変え、検討していくとよいでしょう。

 

コミュニケーションを密に取る

業務改善には、複数の部署に影響が出る、異なる部署同士の連携や調整が必要など、さまざまな関係者の協力が必要なケースも多くあります。業務改善を円滑に進めるためには、取り組みに関わる従業員全員の目的意識を統一し、改善へのモチベーションを高める必要があります。

 

そのため、業務改善に取り組む際には、業務改善の目的や内容の周知、従業員へのヒアリング、現場へのフォローなど、普段からコミュニケーションを密に取り、根気よく理解を求めることが重要です。

 

まとめ

業務改善の目的やゴールが曖昧、従業員への事前周知やフォロー不足、ITツールの選択ミス等、業務改善がうまくいかない、失敗に終わる原因は多岐に渡ります。特に、初めて業務改善に着手する場合や、大規模な業務改善に取り組む場合は、計画通りに進まないことも多いでしょう。

 

業務改善を円滑に進めるためには、従業員の積極的な協力が不可欠です。普段から積極的にコミュニケーションを取り、業務改善の目的や、改善に取り組むことで得られる効果を丁寧に伝えていくことが業務改善成功のカギといえるでしょう。