【製造業向け】おすすめの業務用3Dプリンター7選と選び方を徹底解説!

新型コロナウイルス対策として、世界中で様々なマスクが使われています。

特に感染予防の効果が高いとされる「フェイス・シールド」は多くの医療機関で利用されており、イギリスでは「3Dプリンターを所持している1,400人が、フェイス・シールドの開発に着手した」と報道され、話題になりました。

参考資料:イギリスの3Dプリンター所有者、マスク作製を開始 医療従事者から11万枚受注|BBC

設計データをもとに自動で造形できる「3Dプリンター」は、製造現場での活用が広がっています。

しかし、業務用3Dプリンターは身近な機器ではありませんし、種類も豊富です。そのためどのように業務用3Dプリンターを選べば良いのだろうか?」と疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。

そこで本稿では、「業務用3Dプリンターの選び方」と「おすすめの3Dプリンター」をご紹介します。

記事を読むことで3Dプリンターの選び方が明確になりますので、ぜひ参考にしてください。

業務用3Dプリンターは「5つのポイント」で選ぶ

個人用・業務用に関わらず、3Dプリンターの仕様は以下のように明記されるケースが大半です。

【3Dプリンター例】(メーカー:FLASHFORGE、型番:FFA-103)

引用:FLASHFORGE

【製品仕様】

番号

項目

詳細

造形方式

FDM(熱溶解積層法)

造形サイズ

W:150×D:150×H:150mm

フィラメント

ABS、PLA、HIPS、PVAなど

積層ピッチ

10-100mm/s

価格

63,000円(税込69,300円)

「業務用3Dプリンターが選べる」とは、すなわち「3Dプリンターの仕様を見てイメージが湧くようになる」ということです。

3Dプリンターを選ぶ際には、まずは表に掲載した

  • 造形方式
  • 造形サイズ
  • フィラメント
  • 積層ピッチ
  • 価格

の5つを確認することがとても大切です。

次にそれぞれの項目について詳しく見ていきましょう。

①造形方式

3Dプリンターは「樹脂などのフィラメントを積層しながら造形していくプリンター」で、素材の特性を活かした5つの積層方式があります。

【3Dプリンターの造形方式】

造形方式

特徴

熱溶解積層方式

(FDM法)

樹脂を熱で溶かし、積層します

光造形方式

(STL法)

光硬化性の樹脂にレーザーを照射し固め、積層します

インクジェット方式

液状の紫外線硬化樹脂にレーザーを照射し固め、積層します

粉末焼結方式

(SLS法)

粉末にレーザーを照射し焼結させ、積層します

粉末積層方式

粉末を樹脂で接着し、積層します

この内、樹脂にレーザーを照射して加工を行う「光造形方式」は、他の造形方式に比べて滑らかな仕上がりになるのが特徴で、試作品の制作に適しています。製造業でも使用頻度の高い造形方法です。

②造形サイズ

3Dプリンターは、大型のモノを作ることには適していません。3Dプリンターのサイズに明確な基準はありませんが、以下のサイズが目安になります。

【3Dプリンターの造形サイズ】

区分

サイズ(縦×横×高さ)

10 cm x 10 cm x 10 cm

20 cm x 20 cm x 20 cm

30 cm x 30 cm x 30 cm

特大

用途により異なる

なお、造形サイズが大きくなるほど、熱や接着の影響でモノが変形しやすくなります。3Dプリンターを選ぶ際には注意が必要です。

③フィラメント

フィラメントとは、金型などで使用されている熱可塑性樹脂です。

加熱すると柔らかくなり、冷えると固まる特性があります。熱で溶かしますので「熱溶解積層方式(FDM)」で使われる素材です。

フィラメントには、ABS、ナイロン、ゴムなど様々な種類がありますが、プリンターによって対応可能なフィラメントが異なります。「どのようなフィラメントを使い造形したいか?」は、3Dプリンター選びの重要なポイントです。

④積層ピッチ

積層ピッチとは「積層の厚み」を意味します。

【積層ピッチ】

引用:JMC

積層ピッチが小さいほど、細かく積層していきますので、仕上がりが滑らかになります。その反面、熱や接着の影響を受けやすくなりますので、「積層ピッチ=精度」とはならないことには注意が必要です。

⑤価格帯

昨今、3Dプリンターの価格は下がってきており、家庭用プリンターでは5万円以下、業務用プリンターであっても大きさが「大(30×30×30)」でしたら、10万円を切る製品が登場しています。

より大型のモノを造形したり、実際の工具などを製造する金属プリンターでは数百万~数千万円の機器もあります。

3Dプリンター選びで他に検討したい項目

3Dプリンターはメーカーごとに特徴があります。

上記でご紹介した5つのポイント以外にも「オートキャリブレーション機能の有無」、「日本語サポートの有無」、「操作モニターの有無」、「対応ソフトウェアの豊富さ」、「WiFi対応か」なども選ぶ際のポイントです。

しかし、まずは5つのポイントを抑えた上で、他の項目を検証するのが良いでしょう。

製造工程を効率化!用途別おすすめ3Dプリンター

製造現場では、「試作品」と「完成品」に3Dプリンターが使われます。

RP(Rapid Prototyping)

RPとは、「短期間(Rapid)」と「試作する(Prototyping)」を合わせた用語です。

従来であれば、試作品を作るのには製造機器を準備する必要があり、完成までに時間を要していました。3Dプリンターであれば、設計データのみで作れるため大幅な時間短縮を見込めます。

また、試作品に求める精度や材質によって、適した3Dプリンターは異なります。

例えば、様々なフィラメントで試作品を制作するのであれば「熱溶解積層方式(FDM)」、滑らかさを求めるであれば「光造形方式(STL)」が適しています。色をつけたいのであれば、「インクジェット方式」に対応したプリンターを選ぶと良いでしょう。

DDM(Direct Digital Manufacturing)

DDMとは、直接(Direct)と製造する(Digital Manufacturing)を合わせた用語です。

端的に言うと「完成品を作ること」と言い換えられます。

製造業における「完成品」とは、工具や金具を指すケースが大半です。金属を扱うため、専用の「金属3Dプリンター」が使われます。試作品とは異なり精度が求められますので、溶解や焼結は適しておらず「パウダーベッド方式」、「メタルデポジション方式」など、特有の積層方式が使われます。

業務用3Dプリンターのおすすめメーカー7選

ここでは、業務用3Dプリンターメーカー7社をご紹介します。

①DMM/国内3Dプリンターのパイオニア

DMMは、3Dプリントが国内で認知されるようになってから、いち早くサービスを開始している企業で、昨今は様々な総合支援サービスを提供しています。

DMMのプリントサービスは、樹脂・金属など20種類以上の豊富な素材から選べ、短期間(1週間以内)での納品が可能です。現在、21台の3Dプリンターが稼働しているそうです。

「試作品をアウトソーシングしたい」と考える企業におすすめのサービスです。

なお、秋葉原に店舗を構える「DMM.make AKIBA」には様々な工作機械が展示されており、その一環として、産業用3Dプリンターが展示されています。

②XYZプリンティング/3Dプリンターの専門メーカー

XYZプリンティングは、家庭用から業務用まで、幅広い3Dプリンターを開発している専門メーカーです。

フルカラープリントに対応した「PartPro200 xTCS」や、1時間で20mmの高速プリントを実現した「MfgPro230 xS」など、用途に応じたバリエーション豊富な製品を取り扱っています。

DMM.comと 正規パートナー契約締結しており、「DMM.make AKIBA」には同社の製品が置かれています。

③Hictop/3Dプリンターの価格は業界最安値

Hictopの3Dプリンターは、3Dプリンター市場の中でもかなり安価です。

家庭用・業務用向けに5万円ほどの製品をリリースしており、ほとんどの製品が10万円以下です。また、独自開発のフィラメントも手掛けています。

昨今は、2種類のフィラメントを同時に造形できる「デュアル造形」タイプの3Dプリンターも販売しています。

Qidi Technology/コンパクトサイズの3Dプリンター

Qidi Technology(チーディーテクノロジー)は、「教育・個人用途市場向けの3Dプリンタ」をスローガンに掲げ、簡単で扱いやすいコンパクトサイズの製品を数多く手がけています。

タッチパネルで操作が可能なタイプの3Dプリンターもあり、まるで電子レンジを操作しているような感覚で使用できます。

試作品のサイズが小さいものであれば、コンパクトサイズの方が扱いやすいです。値段も安価なため、用途が決まっているのであれば、Qidi Technologyの製品を候補としても良いでしょう。

キーエンス/インクジェット方式の3Dプリンター

キーエンスは、試作のための3Dプリンター「高精細3Dプリンタ AGILISTA(アジリスタ)シリーズ」が評判です。

インクジェット方式を採用していますので、色彩豊かな造形が可能です。

なお、インクジェット方式のメリットについては、同社サイト内に詳しく解説されています。気になる方は、下記のリンクを参考にしてください。

参考資料:「インクジェット方式の特長」|キーエンス

⑥Anycubic/光造形方式の3Dプリンター

Anycubicの3Dプリンター「Photon」は、光造形タイプが人気です。

本稿でも何度かお伝えしてきたように、光造形方式は熱溶解積層方式などに比べて滑らかに仕上がります。

従来の光造形方式の3Dプリンターは高額で知られていましたが、Photonは10万円以下の製品をリリースしています。

⑦インタービジネスブリッジ合同会社/CFで3,000万円の資金調達に成功

3Dプリンター「MAESTRO(マエストロ)」は、2015年に実施したCF(クラウドファンディング)で3,000万円の資金調達に成功しました。それから約5年経過した2020年においてもモデルは改良され続けており、現在では最新の「MAESTRO 2.5EX」がリリースされています。

熱溶解積層式(FDM)の3Dプリンターで、卓上におけるコンパクトサイズながら、産業レベルの高精度印刷が可能です。

まとめ

昨今の製造業では、生産工程を自動化するために、IoT・AIなどの「情報テクノロジー」や、産業用ロボット・3Dプリンターといった「造形テクノロジー」が活用され始めています。

こちらの記事では、IoT×AIが製造業に与えるインパクトや、注目されているサービスを詳しく説明していますので、ぜひご覧ください。

IoT x AIが切り開く第四次産業革命!製造業に与えるインパクトと注目サービスを徹底解説

テクノロジーの進化に伴い、業務用3Dプリンターの精度は向上してきており、製品導入による費用対効果が期待できるレベルにあります。

今回ご紹介した「5つのポイント」を考慮し、試作品作りには「素材や期待する精度に応じたプリンター」を、工具や金型などの実際の製品作りには「金属3Dプリンター」を選ぶようにすると、自社に見合った製品が絞り込めます。

基本的な3Dプリンターの選び方を抑えた上で、気になった製品があれば、まずは3Dプリンターのメーカーに相談してみましょう。