5分でわかる3Dプリンターレンタルサービス!基本的なサービスの流れから、おすすめ業者9選を徹底解説

3Dプリンターは、複雑な形状を安価に作れることから、自動車、航空・宇宙、医療、小売など、あらゆるビジネスで活用が進んでいます。

しかし、3Dプリンターの導入コストは高額である場合も多いため、「導入前にレンタルして使用感を確かめたい」と考える方も多いのではないでしょうか?

そのようなニーズに応えてくれるのが「3Dプリンターレンタルサービス」です。

本記事では、

  • レンタルサービスの概要
  • レンタルサービスのメリット・デメリット
  • サービス利用の基本的な流れ

について詳しく解説し、最後におすすめのメーカーをご紹介します。

5分ほどでチェックできる内容となっていますので、レンタルサービスが気になっている方はぜひ最後までご覧ください。

3Dプリンターレンタルサービスとは?

3Dプリンターのレンタルサービスとは、その名の通り「3Dプリンターを借りられるサービス」です。

具体的なレンタル方法

3Dプリンターをレンタルするには、

  • 機材を貸し出している施設に足を運ぶ
  • 機材を借りて設置する

の2つの方法から選びます。

機材を貸し出している施設には、シェアスペースAKIBAナノラボなどがあります。昨今の新型コロナウイルスの影響により、利用時間を制限しているケースが多いため、利用する際には営業時間の確認が必要です。

J・3Dのように金属3Dプリンターを貸し出している企業もありますので、「3Dプリンターを体感したい」と考えるのであれば、レンタルサービスを利用すると良いでしょう。

3Dプリンターを借りる場合には、レンタルを行っているメーカーに問い合わせし、契約後設置します。

3Dプリンターレンタルサービスのメリット

レンタルサービスは、「借りる」という性質上、購入に比べてメリットがあります。

導入リスクの軽減

3Dプリンターをレンタルすることで一定期間の検証が行えるため、「導入リスク」を下げることが期待できます。

業務用3Dプリンターの価格は、安価なタイプで100~200万円、金属3Dプリンターに至っては数千万円を超えるものもあります。

3Dプリンターの使い勝手は実際に運用してみないとわからないことが多いため、「購入したものの、想定していた造形ができず、コストパフォーマンスが低い」という状況は、できる限り避けたいものです。

3Dプリンターの価格についてはこちらの記事で詳しく解説しています。ぜひご覧ください。

3Dプリンター価格を5つの造形方式別に徹底解説!| あわせて知っておきたい「補助金」の存在について

参考資料:RICOH 3Dプリンター

初期導入コストを抑えられる

レンタルは、購入に比べると初期導入のコストを大幅にカットできます。

例えば「オペレーティングリース契約」でレンタルした場合、毎月一定額のリース料を支払って利用します。そのため、3Dプリンターの初期導入コストを大幅に抑えることが可能です。

「金属3Dプリンターを導入したいが、できる限り初期コストを抑えたい」と考える場合は、レンタルを検討すると良いでしょう。

「固定資産」ではなく「経費」扱い

3Dプリンターを購入した場合、経理上は固定資産として計上されるので税金を支払わなければなりません。しかし、レンタルした場合、所有権はレンタル会社側にあるので、減価償却の処理は不要で、経費として計上できます。

参考資料:3Dプリンターの豆知識や販売・レンタルしている業者について

3Dプリンターレンタルサービスの注意点

レンタルサービスを利用する場合、事前に知っておくべき注意点があります。

3Dプリンターのノウハウが必要

3Dデータ制作、3Dプリントの一連の工程をすべて自社で行う必要がありますので、3Dプリンター利用に関する一定のノウハウが求められます。

小型タイプの3Dプリンターのレンタル期間は、2週間~1ヶ月であることが大半です。ノウハウが全くない状態でレンタルすると「思うような形状が作れずに、レンタル期間が経過してしまった」ということにもなりかねません。

そのような事態を避けるためにも、出力サービスを活用し、同一機種で造形しておくと安心です。また、レンタルの前にはベンチマークの準備や必要な設備の確保など、事前準備を忘れないようにしましょう。

レンタル可能な機種が限定されている

メーカーが取り扱っているすべての機種をレンタルできるケースは稀です。基本的にレンタル可能な3Dプリンターの機種は限定されます。

なお、国内での3Dプリンターの活用は「出力サービス」が主流になると予想されており、レンタルサービスを手掛けるメーカーの数は、横ばいの状態が続く見込みです。

出力サービスついてはこちらの記事で詳しく解説しています。ぜひご覧ください。

3Dプリンター出力サービスのメリットとは?製造業での活用事例とおすすめ業者を徹底解説

3Dプリンターレンタルサービスの基本的な流れ

問い合わせから自社設置までの具体的な5つのステップを解説します。

ステップ①:問い合わせ

まずは、レンタルメーカーにHPなどから問い合わせます。

ステップ②:要望マッチング

出力する素材・大きさ・用途を明確にし、サービス担当者へ伝えましょう。

ヒアリング内容を元に、レンタル可能な機材がメーカーから提案されます。可能ならば、ミスマッチを避けるために、手持ちの3Dデータを造形してもらうと安心です。

業務用3Dプリンターついてはこちらの記事で詳しく解説しています。

【製造業向け】おすすめの業務用3Dプリンター7選と選び方を徹底解説!

造形に必要となる素材(フィラメント)ついてはこちらの記事で詳しく解説しています。

3Dプリンターフィラメントの種類別の特徴と利用用途を徹底解説!!

ステップ③:見積り・契約

メーカーからの見積りを確認し、契約します。

ステップ④:オフィス・製造現場へ設置

自社のオフィス・製造現場へ設置します。

ステップ⑤:期間内に返却

レンタルした3Dプリンターは、期間内に返却します。一般的にレンタルの延長は可能なケースが多いです。ただし、延長には別途費用がかかることもあります。必要に応じてメーカーに相談しましょう。

3Dプリンターレンタルサービスのおすすめメーカー9選

ここでは、3Dプリンターのレンタルを行っているメーカーをご紹介します。

メーカーごとに、レンタル可能な機種や契約方法が異なります。

小型タイプであれば、まとまった料金を支払って借りる「レンタル契約」が主体です。大型タイプであれば、「オペレーティングリース契約(※)」を結び、使用するケースが大半になります。

(※)オペレーティングリース契約
借りる期間を任意に設定し、その期間だけリース料を支払う契約形態です。初期導入コストを抑える効果が期待できます。所有権はリース会社にありますので、固定資産として計上する必要がありません。

参考資料:リース会計基準の概要 – 公益社団法人リース事業協会

①DMM.make

項目

概要

機種

Form2、Form3、PartPro100xP、CastPro100xP

料金

25,000円~(税別)

期間

2週間、4週間のいずれか

契約方法

レンタル契約

公式サイト

DMM.make公式

DMM.makeのレンタルサービスでは、掲載の4機種以外にも、購入を検討中の3Dプリンターを販売価格の1割で3ヶ月間レンタルできる「3Dプリンター購入サービス」が利用できます。順次ラインナップが追加される予定です。

②KEYENCE

項目

概要

機種

要問い合わせ(レンタル専用機)

料金

要問い合わせ

期間

要問い合わせ

契約方法

要問い合わせ

公式サイト

KEYENCE公式

KEYENCEのレンタルサービスでは、「100Vの電源」のみを用意できればレンタルすることが可能です。3Dプリンターを使用するための設備や工事は不要で、すぐにその効果を体感できます。

③サンステラ

項目

概要

機種

UP mini2(FDM方式)

料金

70,000円(税別)

期間

30日

契約方法

レンタル契約

公式サイト

サンステラ公式

サンステラのレンタルサービスでは、コンパクトサイズで人気の高い「UP mini2」がレンタルできます。レンタル期間は延長可能です。(15日間の延長で10,000円)

④山脇電子工業

項目

概要

機種

UP Plus2

料金

30,000円(税別)

期間

1ヶ月

契約方法

レンタル契約

公式サイト

山脇電子工業公式

山脇電子工業のレンタルサービスでは、全米での評価の高い「UP Plus2」がレンタルできます。同社は3Dプリンターの販売を行っていますが、レンタル可能なのは当機種のみです。

⑤丸紅情報システムズ

項目

概要

機種

Desktopシリーズ、Connex3シリーズ

料金

150,000円/月~

期間

3ヶ月~

契約方法

オペレーティングリース契約

公式サイト

丸紅情報システムズ公式

丸紅情報システムズのレンタルサービスでは、同社が取り扱っているStratasys社製の3Dプリンターがレンタルできます。1ヶ月からレンタル可能な機種もありますので、「いくつかの機種をレンタルしてみたい」と考える企業におすすめです。

⑥ALTECH

項目

概要

機種

Stratasys社製3Dプリンター(10機種)

料金

要問い合わせ

期間

要問い合わせ

契約方法

要問い合わせ

公式サイト

ALTECH公式

ALTECHのレンタルサービスでは、10機種のStratasys社製3Dプリンターからレンタルする機材を選ぶことが可能です。同社の専任者が製作したい内容を元に最適な機材を提案してくれます。

⑦J・3D

項目

概要

機種

EOS社製M280、M290

料金

要問い合わせ

期間

要問い合わせ

契約方法

要問い合わせ

公式サイト

J・3D公式

J・3Dのレンタルサービスは、機材の貸出ではなく、同社内に設置されている機材を利用できるサービスです。専任の技術者が機材の使い方についてサポートしてくれます。「3Dプリンターをレンタルして、専門家に教わりたい」と考える企業におすすめです。

⑧SOLIZE

項目

概要

機種

光造形、粉末造形、金属造形、ProJetシリーズなど、同社が取り扱っているすべての機種

料金

要問い合わせ

期間

1~5年

契約方法

オペレーティングリース契約

公式サイト

SOLIZE公式

SOLIZEのレンタルサービスでは、同社が取り扱っているすべての機種のレンタルが可能です。オペレーティングリース契約であるため、毎月のリース料のみで利用できます。「3Dプリンターを導入したいが、初期コストを抑えたい」と考える企業におすすめです。

⑨オリックス・レンテック

項目

概要

機種

要問い合わせ

料金

要問い合わせ

期間

要問い合わせ

契約方法

オペレーティングリース契約

公式サイト

オリックス・レンテック公式

オリックス・レンテックのレンタルサービスでは、ユーザーの計画に応じてレンタル期間を自由に設定することが可能です。ユーザーが指定した製品をオリックス・レンテックが購入し、再販の価値を踏まえたリーズナブルな料金で提供してくれます。

まとめ

3Dプリンターのレンタルには、「機材を貸し出している施設に足を運ぶ」、「機材を借りて設置する」の2つの方法があります。

「3Dプリンターを体験する」ことが目的であれば、実機を操作できるワークショップへの参加を選ぶと良いでしょう。ノウハウの蓄積や導入を前提としているのでなければ、機器をレンタルすることがおすすめです。

また、3Dプリンターを利用する際に欠かせない「3Dデータ」の作成方法は以下の記事で解説しています。ぜひ、ご覧ください。

3Dプリンターデータの作成方法~医療・製造・アパレル編~

自社の目的に合致する最適な利用方法を検討しましょう。