製造業で棚卸代行サービスを活用するメリットとは?おすすめ業者9選をご紹介!

実地棚卸は、人員の確保に苦労するものです。

特に倉庫に多くの在庫を抱える製造業では、在庫量によって、1回の棚卸しに数十人~数百人単位の人員が必要になることがあります。

「どうにかして、棚卸しに必要な人員を減らせないか」と、頭を悩ませている方も多いのではないでしょうか?

この課題を解決するため、小売業を中心に活用されているのが「棚卸代行サービス」です。

棚卸しをアウトソーシングすることで、人員確保の課題から解放されます。

本稿では、棚卸代行サービスの概要とおすすめ業者をご紹介します。

棚卸代行サービスは業者数が少ないため、本稿を読んで頂ければ、主要な業者が分かります。ぜひ最後までご覧ください。

棚卸代行サービスとは?

棚卸代行サービスとは、その名の通り、「棚卸しを代行してくれるサービス」です。

ここでの「棚卸し」とは、実際にモノを数える「実地棚卸」を指します。

商品を目視で確認しながら、「棚卸表へ手書きで記入する」「ハンディリーダーを使い、バーコードを読み込む」といった作業を代行してくれます。

棚卸代行サービスを活用するメリット 

棚卸代行サービスを活用する最大のメリットは、「棚卸しの人員確保ができること」です。

製造業では、冒頭でお伝えした棚卸しに必要な人員数に加え、工場の生産ラインが止まった夜間に棚卸しを行わなければならない、といった時間の制約もあります。

自社の人材リソースを気にせずにアウトソーシングできることは、棚卸しにかかる負担を大幅に軽減してくれます。

さらに、専門会社へ依頼することで、一般的な人材派遣会社では難しい、指揮系統からまとめてアウトソーシングすることも可能です。

棚卸代行してもらえる作業

棚卸代行サービスは、次の3種類の作業を代行してくれます。

①単品棚卸作業

商品に取り付けられたバーコードをハンディリーダーでスキャンし、商品在庫の数量を集計します。

②金額棚卸作業 

商品に取り付けられたバーコードをハンディリーダーでスキャンし、商品在庫の売価と数量を集計します。

③資産棚卸作業 

機械、材料、工具など、資産計上が必要なモノの棚卸しを行います。バーコードやRFIDのタグ貼り、台帳作成なども該当します。

導入フロー

ここでは、棚卸代行サービスの導入フローをご紹介します。

ステップ

内容

棚卸代行業者へ問い合わせます。

代行業者が棚卸場所の下見や作業内容を確認します。

代行業者から提案を受けます。

見積書を受け取ります。

見積書に合意し、契約を結びます。

契約内容を元に作業の流れ、成果物の合意を取ります。

棚卸代行業者の導入フローは、どの業者でも概ね同じです。気になる業者があれば、同様の手順で進めていくと良いでしょう。

実地棚卸の流れ

ここでは、代行業者の棚卸作業の流れをご紹介します。

とはいえ、棚卸し手順を伝えた上でアウトソーシングしますので、基本的には、これまで自社で行っていた手順と変わりません。

ステップ

内容

当日の流れについて、現場の責任者からスタッフへ周知します。初めてのスタッフがいる場合は、研修担当が付いてミスが起きないように指導します。棚卸し対象のエリアが広い場合は、ロケーションごとに担当者を割り振ります。

決められた手順に沿って、カウントします。複数人での同時作業になりますので、カウント作業開始後は、進捗を確認しながら作業を進めます。

作業漏れが無いかチェックします。

棚卸代行業者がカウントしたデータを自社でチェックし、作業漏れが無いことを確認します。

アウトソーシングの精度を高めるため、ステップ④の「作業結果の確認方法」は、事前にしっかりと擦り合わせておきましょう。

棚卸代行サービスのおすすめ業者9選 

ここでは、棚卸代行サービス業者を9社ご紹介します。

1.株式会社エイジス

小売業への棚卸代行では業界最大手で、倉庫の在庫管理システムを取り扱うなど、製造・物流業界においても、専門知識と豊富な実績を誇る企業です。ピッキング、棚入れ、棚卸しなど、様々な業務代行サービスを展開しています。

2.株式会社アーバンミラー

スーパーマーケット、商社倉庫、物流倉庫、あらゆる業種・職種の大小を問わず対応しています。

3.アセットインベントリー株式会社

25年、1,000社以上の豊富な棚卸実績があります。「長年の経験で培った様々な知見」がありますので、安心して代行を依頼できます。

4.ワンストップ代行センター

資料作成、DM梱包、棚卸しなど、様々な代行サービスを展開しています。完全代行、人材派遣といった、企業ニーズに合わせた委託が可能です。

5.株式会社A-style

自社内での専門教育を受けたスタッフが棚卸しを実施します。全国同一のサービスを受けられますので、「複数拠点の工場・倉庫の棚卸しをアウトソーシングしたい」と考える企業におすすめです。

6.パーソルマーケティング株式会社

人材派遣、業務委託、人材紹介、販促企画の4つを事業展開しています。「特定のロケーションだけ、棚卸しを委託したい」、「数人のヘルプが欲しい」といった、様々なニーズに応えてくれます。

7.株式会社ダイエースペースクリエイト

小売業を中心にアウトソーシングを請け負う企業です。棚卸し以外にも、レジ業務などの幅広い業務に対応しています。

8.株式会社サンレディース

小売業を中心に、短期間での棚卸しに柔軟に対応してくれます。一例として、「10万点の棚卸しを昼間の1日で実施(100名)」、「100万点の棚卸しを夜間の2日間で実施(160名)」といった実績があります。

9.株式会社リージス・ジャパン

独自の精度基準をクリアした、プロフェッショナルなスタッフが棚卸しを行います。日中・夜間を問わず、任意の時間帯の指定が可能です。

製造業は棚卸しのアウトソーシングは難しい面がある

棚卸代行業者の導入フローや実地棚卸の流れは、業者ごとに大きな違いはありません。

棚卸代行サービスを展開している業者は少ないため、気になる方は本稿で紹介した企業を中心にコンタクトを取ると良いでしょう。

実際に棚卸代行サービスを利用している企業は、「商品」を取り扱っている小売業が中心になります。「棚卸しは、商品の状態を目視で確認の上、商品タグ(バーコード)をハンディリーダーで読み込むだけ」と、作業が簡易的でアウトソーシングしやすいためです。

製造業では、機械・材料・工具などを、倉庫の決められたロケーションに保管するのが一般的です。

しかし、一つのパレットに複数段に渡ってモノを積み込む場合も多く、棚にきれいに並べられた商品を棚卸しする小売業に比べて、作業が複雑になります。

棚卸しを行うスタッフは現場を熟知している必要があり、「モノの状態を目視で確認の上、棚卸表へ手書きで記入する」方法で、外注せずに自社で対応するケースが大半です。

タグ付けにはRFIDがおすすめ

モノにタグをつけてロケーション管理を行う場合、バーコードでは、近距離での一点照合になりますので、積み込んで管理することが多い製造業での棚卸しには向いていません。

バーコードの替わりに、「一括読み取りができる」「遠隔から読み取れる」特徴を持つRFIDの活用がおすすめです。

RFIDはアパレル業界を中心に活用されていますが、近年、製造業での利用も拡大しています。

RFIDに関してはこちらの記事で詳しく解説していますのでぜひご覧ください。
RFIDとは?最新動向と活用事例を解説!

まとめ

「棚卸しにかかるコストを減らしたい」場合、今回ご紹介した棚卸代行サービスは有力な手段となり得ます。

しかし、製造業は棚卸しをアウトソーシングしにくい面もあります。

在庫管理が複雑でアウトソーシングが難しい場合は、RFIDなどの棚卸しを省力化できるソリューションを確認し、自社に最適な棚卸し方法を検討すると良いでしょう。

RFIDは「棚卸し」以外でも活用の幅が広がっています。ぜひこちらの記事もご覧ください。
RFIDの位置情報で探し物が見つかる!?入出荷・棚卸しだけではないRFIDの新たな活用法