IoTで活用されるセンサーとは?センサーの種類と活用事例を解説!

  • 3月 3, 2020
  • IoT
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近年、多くの企業において課題となっている「IoT」。
センサーを活用して、あらゆるモノをインターネットに接続する技術がIoT(Internet of Things:モノのインターネット)です。重要なのは目的を明確にした上で、必要なデータを収集して有効活用することです。

そもそも、「IoTに使われているセンサーってどんな種類のものがあるのか?どんなデータが得られるのか?データを取得できたのだが、自社の事業に対して、どのように活用していくべきか?」

こんな疑問をもたれている人も意外に多いのではないでしょうか?

そこで本稿では、

  • IoTセンサーとは何か、またその役割は?
  • IoTセンサー種類
  • IoTセンサーで取得できるデータ、データ取得後の活用事例

など、IoTシステム構築にあたり、必要な知識を分かりやすく解説します。

IoTにおけるセンサーの役割

「IoT」において、センサーは入り口の役割を果たします。インプットがないとIoTの仕組みが構築できないため、センサーは必須の部位です。センサーの種類によって取得可能なデータは異なるので、

・取得したい情報は何か?

・この情報が取れたら、自社ではどのように活用できるか?

を考慮しながら、センサーの選定・導入を進めていく必要があります。

何のために、どのようなデータが必要かさえ決まれば、最適なセンサーはおのずと決まってくるでしょう。ビッグデータが注目される中、勘違いしてはいけないのは、むやみやたらに何でもデータを取れば良いわけではありません。目的を明確にして、必要なデータを集めて分析し、アクションにつなげることが重要です。

代表的な13種類のセンサーと特徴

IoTで活用されるセンサーは多種多様です。下の表に13種類の代表的なセンサーをまとめました。

 

種類

取得データ

1

GPS

位置データ(遠距離)

2

ビーコン

位置データ(近距離)

3

磁気センサー

磁気データ

4

加速度センサー

加速度データ

5

ジャイロセンサー

角度データ

6

光センサー

光データ

7

距離センサー(超音波等)

距離データ

8

温度センサー

温度データ

9

湿度センサー

湿度データ

10

圧力センサー

圧力データ

11

指紋センサー

指紋データ

12

音センサー

音データ

13

RFID

個体識別データ(近・中距離)

次に各センサーの特徴をご紹介します。

1.GPS

GPS(Global Positioning System:全地球測位システム)とは、米国が運用する、地球上の現在位置を測定するシステムのことです。

「位置データを取得する方法」といえば、多くの方が真っ先に思い浮かべるのではないでしょうか。スマートフォン、カーナビなどに搭載されており、私たちの生活に馴染み深い仕組みです。

2.ビーコン

ビーコンとは、発信機からの信号をモバイル端末などが受信し、位置や距離情報、個体識別情報を取得する設備のことです。

GPSとは違い、人工衛星からの信号ではありません。屋内外を問わず情報を取得できます。

大ヒットしたスマートフォンゲーム「Pokemon GO」にも使われるなど、近距離の位置データを取得する仕組みとして、幅広く活用されています。

「ビーコン」については、こちらの記事で詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
ビーコン・BLEとは?物品管理を大幅に効率化する位置情報サービスを分かりやすく解説!!

3.磁気センサー

磁気センサーは、磁場(磁界)の大きさ・方向を計測するセンサーです。

電場と磁場には相互関係があります。磁場の計測や電流の検知など、目的に応じた多種多様な磁気センサーが存在します。

4.加速度センサー

加速度センサーは、MEMS(※)技術が使われます

瞬間速度を表す加速度を計測することで、自動車のエアバッグやゲームのコントローラなど、状況に応じた素早い処理が必要になるデバイスに使われています。

※MEMS・・(メムス:Micro Electro Mechanical Systems)は、機械要素部品、センサ、アクチュエータ、電子回路を一つのシリコン基板、ガラス基板、有機材料などの上に微細加工技術によって集積化したデバイスのこと。

5.ジャイロセンサー

ジャイロセンサーは、物体の角度(傾き)を計測するセンサーです。スマートフォンカメラの「手ぶれ補正」などに使われています。

6.光センサー

光センサーは、明るさを計測するセンサーです。パソコンやスマートフォンの「ディスプレイの明るさ調整」などに使われています。

7.距離センサー(超音波等)

距離センサーは、物体間の距離を計測するセンサーです。

波の反射の性質を利用して、距離を特定します。潜水艦の超音波探査などに活用されています。

8.温度センサー

温度センサーは、物体の温度を計測するセンサーです。体温計、電気ポット、サーモグラフィーなどに使われています。

9.湿度センサー

湿度センサーは、湿度を計測するセンサーです。湿度計や窓ガラスの曇り止めなどに使われています。

10.圧力センサー

圧力センサーは、圧力を計測するセンサーです。血圧計や電動空気入れなどに使われています。

11.指紋センサー

指紋センサーとは、指紋のパターンを読み取るために用いられるセンサーです。

セキュリティの高い認証方法として、パソコンやスマートフォン、出入口の入室管理などに使われています。

12.音センサー

音センサーとは、音の強度を計測するセンサーです。

音波を電気信号(デジタルデータ)に変換し、処理を行います。スマートフォンの音声検索やロボットの音声制御などに使われています。

13.RFID

RFID(radio frequency identifier)とはID情報が埋め込まれたRFIDタグの情報を、無線通信で読み取る自動認識技術のことです。

バーコードとは異なり、「遠隔から一括で」読み取れるRFIDは、アパレル業界を中心に導入する企業が増加しています。

「RFID」については、こちらの記事で詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
RFIDとは?最新動向と活用事例を解説!

センサーの選定プロセス

企業が何らかのソリューションを選定する際には、一定のプロセスがあります。

それは、①導入目的を明確にし、②情報を集め、③デモンストレーションを受け、最終的に決定する、という流れです。

このプロセスをセンサー選定にあてはめ、順番に見ていきましょう。

ステップ1:導入目的の明確化

まずは、「どのようなことを実現したいのか?」という導入目的を明確にします。

繰り返しになりますが、導入目的に応じて、活用すべきデータやセンサーが決まるためです。

例えば、「在庫管理において、バーコードでの1点照合をなくし、効率化したい」と考えたとします。このような場合、必要なデータは「個体識別データ」です。活用すべきセンサーは、RFIDが候補に挙がるでしょう。

ステップ2:情報収集

続いて情報収集に移ります。

すでに取引のあるメーカーからセンサーに関する情報を仕入れたり、特定の分野に強みを持つ企業にコンタクトを取るとよいでしょう。

また、デバイス選定においては、百聞は一見に如かずです。実際に現物を見ることで、「実現可能なこと」を鮮明にイメージできるようになります。

昨今は、新型コロナウイルス感染防止の観点から、オンラインでデモンストレーションや商談を実施するケースが増えています。

これらを活用して、検出方式、検出距離、センサ形状の異なる様々なセンサーを知るとよいでしょう。大まかな価格帯を確認することも大切です。

ステップ3:ソフトウェア選定、ハードウェア選定、予算確保

ステップ1,ステップ2の後、予算確保の上、気になるメーカーから見積を取ります。

ソフトウェア選定、ハードウェア選定、予算確保の具体的な流れは、企業の商談プロセスにより異なります。自社の体制を整備しながら進めるとよいでしょう。

センサーの活用事例

以下に業種や業界別のセンサー活用事例をいくつかご紹介します。

1)コマツ

建設機械にいち早くIoTを搭載し、今やすっかり定着させたのがコマツのKOMTRAX(コムトラックス)です。2001年以降、建設機械をはじめとしたコマツの機械にはKOMTRAXが搭載され、GPSやインターネットを介して機械の位置情報、稼働情報、燃料残量などを集めています。集めたデータを稼働管理、盗難防止、燃料アラート、故障アラートなどに役立てています。例えば、エンジンがかかっている時間のうち、本当に稼働している時間を割り出して、稼働率の向上や維持費の削減などの効果をあげています。
[参考記事] ダントツサービス|コマツについて|小松製作所

2)キーエンス

工場などの生産現場でも、IoTは活用されています。
キーエンスは自動車・車体の組み立てに各種のセンサーを導入し、IoT化を進めています。

・部品プレスのプレスストローク計測

・プレス油圧を取得して機械の予知保全

・EV用電池パックにタグ付けを行い個体管理とトレーサビリティを実現

・画像判別センサーや接触式センサー、面光電センサーを用いて組み立て精度の計測

など、各工程でセンサーを用いて様々な情報を取得し、それを現場業務に役立てています。
[参考記事] 自動車・車体組立 | 業界別IoT活用事例 | 業界別センサIoT活用事例サイト | キーエンス

3)ユニクロ

アパレル業界では、ユニクロがRFIDを用いて無人レジを実現しています。

商品にRFIDタグ(ICタグ)を付けることで、複数の商品を一瞬で読み取って精算できるようになりました。無人レジの実現により、レジ待ちを無くし、業務の効率化や顧客の満足度向上につなげています。また、無人レジだけにとどまらず、生産管理、物流管理、在庫管理にもRFIDを活用することで圧倒的な効率化を実現しています。
詳しく知りたい方は、「RFIDタグを導入したユニクロから学ぶ他業界RFID活用のヒント」をご覧ください。
[参考文書] サプライチェーン改革について

実際にデータを取得するまでは、有用な仕組みを構築できる確証が得られないかもしれません。そのような場合は、システムベンダーやセンサーメーカーと相談し、PoC(Proof of Concept:実証実験)を行い、センサー、データの活用可否を判断するのもよいでしょう。

重要性が増すセンサー

総務省の発表した令和元年版情報通信白書によると、2018年時点で世界中のIoTデバイス数は307億台であり、2014年の170億台からおおよそ1.8倍ほど増加しています。さらに、2021年中には447億台まで増加すると予測されています。
[参考文書] 令和元年版情報通信白書|総務省 

「データの収集・蓄積」、「現状把握」までの過程が加速している一方で、次のステージである、「データ分析」まではつなげられていません。具体的には、「データ分析」による作業効率の改善、問題発生の予測、付加価値の向上などが挙げられます。ここが、多くの企業の課題となっています。IoTにおいて、データを収集することは、目的ではなく手段であり、収集したデータを利用して、課題を解決することが本当の目的です。

結論

IoTの入り口となるセンサーは、IoTの仕組みを構築する上で不可欠なものです。しかし、センサーを配置して、データが取得できたらIoTの仕組みが構築できたとは、いえません。なぜなら、取得したデータを有効活用することが目的だからです。

本稿で紹介したように、様々なデータを取得できるセンサーが存在します。どのようなデータを取得し、どのように活用したいのかを考えた上で、適切なセンサーを選択するようにしましょう。

IoTセンサーおよびシステムの導入にはノウハウを持ったシステムベンダー、機器メーカーに相談してみるとよいでしょう。