バーコードは私たちの日常生活はもちろん、企業の物流業務や資産管理業務など、さまざまな場面で重要な役割を果たしています。
しかし、バーコードについて詳しく把握している方は少ないかもしれません。今回はバーコードについてより深く理解できるよう、バーコードの概要から歴史、構成、種類や特徴まで、わかりやすく解説します。
バーコードとは
バーコードとは、黒い線(バー)と白い線(スペース)を組み合わせて、数字や文字、記号を視覚的に表現した符号を指します。
バーコードリーダーやハンディターミナルといった光学認識装置を使えば、簡単に情報の読み取りが可能なため、商品管理や在庫管理、配送管理等など、さまざまな業務に活用されています。
バーコードの構成
バーコードについての理解を深めるためには、まずはバーコードを構成する要素を理解する必要があります。以下のバーコードサンプルを参考に、各要素について確認していきましょう。
①バーコードシンボル
バーコード全体の図形で、バーとスペースを配列することで、キャラクタ(文字)を表現した部分です。
②クワイエットゾーン(マージン)
バーコードシンボルの両端にある余白の部分です。
クワイエットゾーンのサイズは、ナローバー(細いバー)の10倍以上(コードによっては7倍以上)と規定されています。クワイエットゾーンが十分に確保されていないと、バーコードの読み取りが不安定になるおそれがあるため注意が必要です。
③スタート/ストップキャラクタ
データの始まりと終わりを表す文字です。
スタート/ストップキャラクタの有無や、文字の種類はコードによって異なります。
④データ(メッセージ)
商品番号や価格情報といったデータが記録されている部分です。
⑤チェックデジット(シンボルチェックキャラクタ)
チェックデジットは、バーコードの整合性を確認するための検査数字です。バーコードを読み取った際に、エラーが発生しないかをチェックする役割をもち、一般的にバーコードデータの直後に付加されます。
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バーコードの歴史
バーコードは、スーパーマーケットや小売店の業務を効率化したいというニーズから開発がすすめられた技術です。ここでは、バーコードの誕生から日本で普及するに至るまでの歴史について解説します。
1940年代 |
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1950年代 |
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1960-70年代 |
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1980年代 |
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バーコードの種類
バーコードには非常に多くの種類があり、国や業界、用途、バーコードがもつ特性などによって、使いわけがされています。
今回は、数あるバーコードの種類の中から、以下の6種類を紹介します。
- JAN/EAN/UPC
- ITF
- CODE39
- NW-7(CODABAR)
- CODE128
- GS1データバー
読み方や使用可能な文字、特徴や用途等について詳しく紹介しますので、参考にしてみてください。
JAN/EAN/UPC
JANコード、EANコード、UPCコードは、さまざまな商品に表示されている世界共通コードです。
日本国内で使われているJANコードは、国際規格であるEANコードを元に作られており、北米のUPCコードとも互換性があります。
シンボル |
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読み方 |
ジャン/イアン/ユーピーシー |
文字の種類 |
数字(0~9) |
特徴 |
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バー構成の特徴 |
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用途例 |
世界共通の商品コードとして、あらゆる生活用品に使用されている |
ITF
ITFは、1972年に米・インターメック社が開発したバーコードです。インターリーブド2of5(Interleaved Two of Five)の略称で、その情報密度の高さから、アメリカでは梱包配達の標準シンボルとなっています。
バーとバーの間のスペースにも情報が収納されていること、1文字を5本(うち2本が太いエレメント)のバーまたはスペースで表すことが名前の由来とされています。
シンボル |
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読み方 |
アイティーエフ |
文字の種類 |
数字(0~9) |
特徴 |
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バー構成の特徴 |
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用途例 |
標準物流バーコードとしてJIS化されており、梱包材のラベル付け等に利用されている |
CODE39
CODE39は、1975年に米・インターメック社が開発したバーコードです。1文字を表すのに9本のバー・スペース(うち3本が太いエレメント)を用いることが名前の由来とされています。
シンボル |
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読み方 |
コード39 |
文字の種類 |
数字(0 〜9) アルファベット(大文字) 記号(-,.,スペース,$,/,+,%) スタート/ストップキャラクタ(*:アスタリスク) |
特徴 |
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バー構成の特徴 |
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用途例 |
米国自動車工業会(AIAG)や電子情報技術産業協会(JEITA)等で、工業用バーコードとして利用されている |
NW-7(CODABAR)
NW-7は、1972年に米・モナークマーキング社が開発したバーコードです。Narrow(狭い)幅とWide(広い)幅の7本のバーとスペースを使って一文字を表すことが、名称の由来とされています。
日本では、主にNW-7と呼ばれていますが、「CODABAR」や「Code 2 of 7」と呼ばれることもあります。
シンボル |
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読み方 |
エヌダブリュー7(コーダバー) |
文字の種類 |
数字(0 〜9) 記号(-,$,/,.,+) スタート/ストップキャラクタ(a 〜d) |
特徴 |
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バー構成の特徴 |
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用途例 |
上記ほか、数字の連番印刷が必要なものに用いられている |
CODE128
CODE128は、1981年に米・コンピュータアイデンティックス社が開発したバーコードです。パソコン入力に対応するため、数字、アルファベット、記号、制御文字といった128のアスキーコードを全て表現できることが、名称の由来とされています。
シンボル |
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読み方 |
コード128 |
文字の種類 |
アスキーコード(128文字)
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特徴 |
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バー構成の特徴 |
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用途例 |
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GS1データバー
GS1データバーは、1996年に国際EAN協会とアメリカコードセンターが開発したバーコードです。
開発当初は、RSS(Reduced Space Symbology・省スペースシンボル)という名称でしたが、2007年に現在の「GS1データバー」へ改称されました。
シンボル |
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読み方 |
ジーエスワンデータバー |
文字の種類 |
数字(0~9) |
特徴 |
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バー構成の特徴 |
※以下「GS1データバーの種類と特徴」を参照 |
用途例 |
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GS1データバーの種類と特徴
GS1データバーには、3タイプ、7種類のコードが存在します。それぞれのタイプ、種類、特徴は以下の通りです。
タイプ |
コード名 |
特徴 |
GTINのみを 表示するタイプ |
GS1 DataBar Omni-directional (標準型) |
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GS1 DataBar Stacked Omni-directional (標準二層型) |
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GS1 DataBar Truncated (カット型) |
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GS1 DataBar Stacked (二層型) |
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GTINの先頭一桁が 0か1の場合のみ 使用できるタイプ |
GS1 DataBar Limited (限定型) |
使用できるシンボルは以下に限定される
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GTIN以外に 商品の属性情報も 表示可能なタイプ |
GS1 DataBar Expanded (拡張型) |
数字最大74桁、英字最大41桁まで表現可能 |
GS1 DataBar Expanded Stacked (拡張多層型) |
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まとめ
バーコードは情報を効率的に読み取り、スムーズな製品の管理、運用を行うために欠かせない技術です。
世界に100種類以上のバーコードが存在するとされており、それぞれの種類によって、特徴や表現できる情報が異なります。
自社の商品管理や在庫管理、資産管理等にバーコードを活用したい場合は、各コードの特徴や特性をよく理解し、適切な種類を選択することが重要です。