デジタル技術を活用して業務効率化を実現したいと思っても「どのように業務効率化をすればよいのだろうか…?」「どのような方法があるのだろうか…?」と悩んでしまうかもしれません。そのような悩みを抱えている方向けに、部門別で導入しておきたいDXツールをご紹介します。DXツールで業務効率化を実現したい方は、ぜひ記事を読んでみてください。
[はじめに]DXとは
DXとは、デジタル技術を活用していきビジネスを発展させていくことをいいます。
[DXの例]
- デジタルツールを活用して業務効率化を目指す
- テレワークを導入して、従業員が働きやすい職場を実現する
- 最先端のデジタル技術を活用してビジネスモデルを変革する
DXに取り組めば、ビジネス競争力を高めていけます。DXについて詳しく知りたい方は、下記の記事をお読みください。
関連記事:『DX推進とは?なぜ進まない?DX加速するための4つの手順を紹介』
事業開発部向けのDXツール
事業開発部向けのDXツールには、以下のようなものがあります。
アセスメントAI
アセスメントAIとは、商品開発における品質アセスメント業務をサポートするシステムです。品質アセスメント業務を効率化できれば、開発者の五感を活かした商品開発の時間が確保できるようになり、新商品の開発が行いやすくなります。
アセスメントAIは、過去の知見・経験をもとに原材料の配合や製造方法から想定されるリスクを抽出してくれます。この情報収集に莫大な時間がかかっていましたが、AIを活用すれば大幅に情報の収集、分析の時間を削減することが可能です。
キリンホールディングス株式会社は、アセスメントAIを活用して、ヘルスサイエンス領域商品の開発に取り組んでいます。
ビッグデータ
社内の蓄積されたデータ、インターネット上のデータなどデジタル情報は増え続けています。これらのビッグデータを解析すれば、人間の勘と経験に頼る商品開発ではなく、根拠のある商品開発ができるようになります。根拠を示せば誰もが納得できるため、迅速な意思決定が可能になるでしょう。
例えば、伊藤忠商事株式会社とウイングアーク1st株式会社は業務提携して、「FOODATA」を開発しています。FOODATAを活用すれば、食品関連商品開発において高速でアイデアを検証できるようになります。
マーケティング部向けのDXツール
マーケティング部向けのDXツールには以下のようなものがあります。
CMSシステム
CMSとはWebサイト構築のスキルを持っていない人でも、自社サイトやECサイトの運用ができるシステムを指します。コーディングが不要でWebプログラマーに依頼せず、自社でサイト運用ができることから支持を集めています。
大日本印刷株式会社はCMSシステム「NOREN」を使用して、誰でもサイト運営できるようにしました。その結果、情報発信力の強化に成功しました。
CRMシステム
CRMシステムとは別名「顧客管理システム」と呼ばれており、新規顧客や既存顧客の情報を一元管理、分析するシステムをいいます。
顧客データを分析すれば「どのような顧客が自社商品を購入してくれているのか?」「どのような経路で訪れた顧客が商品を購入しているか?」を分析できます。
野球球団を運営する株式会社西武ライオンズは、CRMシステムで顧客データを分析して、ターゲット顧客にアプローチしました。その結果、観客動員数を増やすことに成功しました。
MAツール
MAツールとは別名「マーケティングオートメーション」と呼ばれており、見込み顧客が求めている情報をベストタイミングで提供するためのツールです。
顧客一人ひとりにメルマガ配信をしていると手間がかかります。その一方で、一斉メールだと読んでもらえなくなるでしょう。MAツールを活用すれば、顧客の属性をセグメント化して最適なメールを自動で送信できます。
キリンホールディングス株式会社は、メール配信のオペレーションが複雑でしたが、MAツールを導入して問題を解決しました。
営業部向けのDXツール
営業部向けのDXツールには、以下のようなものがあります。
オンライン商談ツール
オンライン商談ツールとは、顧客と対面せずにオンライン上で商談を行うためのツールです。「Zoom」や「Microsoft Teams」などのツールが有名です。
東日本電信電話株式会社は、電話で顧客のヒアリングを行っていましたが、ヒアリングが不十分になる課題を抱えていました。このような課題を解決するために、オンライン商談に切り替えて、視覚情報などからヒアリング精度の向上に取り組みました。その結果、ヒアリング時間が短縮できて、商談数を3倍に上げることにも成功しました。
チャットツール
チャットツールとは、複数名でグループを作り会話が楽しめるツールです。このツールを活用すれば、営業リーダーに報告する手間が省けます。
これまで、顧客との商談進行状況は営業リーダーに都度、報告しなければいけませんでした。
しかし、チャットツールを活用すれば顧客との商談進行状況を共有できるため、リーダーに報告せずに済みます。営業報告書の作成の手間を省け、営業時間に時間を割けるようになり、クライアント数を1.5倍に伸ばした企業も存在します。
SFAツール
SFAツールとは、別名「営業支援システム」と呼ばれ、営業部門の情報を一元管理、分析できるツールをいいます。営業活動の状況を可視化できるため、成績が良い担当者がどのような営業をしているのか、ノウハウ共有ができるようになります。また、営業進捗を共有できるため、売上予測が立てやすくなることも魅力です。
TIS株式会社は、営業情報(顧客に提案した書類)などを共有して、営業スタッフの人材育成に成功しました。
製造部向けのDXツール
製造部向けのDXツールには、以下のようなものがあります。
需要予測システム
需要予測システムとは、過去の売上や市場調査のデータから、将来の需要量を正確に把握するシステムです。精度の高い需要予測ができれば、過剰在庫による廃棄ロスや在庫切れによる販売機会の損失を防げます。
需要予測システムについて詳しく知りたい方は、下記の記事をお読みください。
関連記事:『需要予測システムとは?機能や効果を始め、サービスの比較方法まで解説』
AI検査
製造現場では「傷」「欠け」「汚れ」「変形」「異物混入」のある商品は不良品として取り除かなければいけません。人が目視で不良品を見つけるのは想像以上に大変で手間がかかるため、AI検査で不良品の発見を自動化する動きが出てきています。
武蔵精密工場株式会社は、AI検査で検品作業を自動化し、不良品検出率100%を実現しました。
3Dプリンター
3Dプリンターとは、3DCADデータを参考にして立体モデルを製作する機械を指します。自社に3Dプリンターを設置しておけば、モノづくりの内製化ができます。商品製造が必要になったときに作ればいいため、在庫管理がしやすい利点もあります。
株式会社小川優機製作所は、3Dプリンターを導入して部品の試作品づくりを行いました。その結果、製品のイメージ確認が捗り、短納期で移動ロボットの外装パーツが作成できるようになりました。
3Dプリンターについて詳しく知りたい方は、下記の記事をお読みください。
関連記事:『3Dプリンターとは?方式や特徴、活用事例まで基本知識を徹底解説』
管理本部向けのDXツール
管理本部向けのDXツールには、以下のようなものがあります。
RPA
RPAとは、繰り返し行う必要がある業務を人間の代わりに行うソフトウェアロボットです。事務作業を自動化できるため、生産性が上がります。さらに、ヒューマンエラーが防止できるという恩恵も受けられます。
中外製薬株式会社は、全社にRPAを導入して20万時間分の業務削減に成功しました。
書類の電子化
書類の電子化とは、紙で保存していた書類を電子化することをいいます。電子帳簿保存法により、電子データの帳票書類は電子データで保存することが義務化されました。これをきっかけに、書類の電子化を進める企業が増えています。また、近年は電子契約を導入する企業も増加傾向にあります。
株式会社ライフコーポレーションは、書類電子化に取り組み、毎月6万枚分の印刷費の削減に成功しました。
AI議事録 ツール
AI議事録ツールとは、社内会議の議事録作成を効率化するためのツールです。発言者の発言内容を自動で文字起こしするだけではなく、会議の要約までしてもらえます。AI議事録作成ツールを活用すれば、議事録作成の時間を年3,000時間から年90時間まで削減できます。
八千代エンジニヤリング株式会議はAI議事録作成ツールを導入し、会議効率を上げることに成功しました。
DXで業務効率化を実現する方法
業務効率化が実現できるDXツールを導入する際のポイントを押さえておきましょう。
現場の声を反映する
DXツールを導入する際は、現場の声を反映させましょう。なぜなら、DXツールを利用する人が「操作が難しい」と感じるようだと、業務効率が落ちてしまうためです。そのため、ツール選びには現場の人にも関与してもらい、誰でも簡単に操作できるツールを選ぶようにしましょう。
信頼できるベンダーに相談する
気になるDXを見つけたら、ベンダーに相談をしてみましょう。システムを導入するまで基本的に相談料は無料です。気になる製品を見つけたら、気軽に問い合わせをしてみましょう。相談の際に親身になってくれて信頼できるベンダーで契約すると、失敗を防げます。
業界のカオスマップを参考にする
業界別のDXツールを知りたい場合は、カオスマップを参考にしてみてください。例えば、製造業向けのカオスマップと検索すれば、「生産契約」「設備の故障予知」「外観検査」などに役立つツールが紹介されています。その他の業界もカオスマップが用意されているため、気になる方はチェックしてみてください。
まとめ
AIやRPAなど、デジタル技術を活用すれば、業務作業が大幅に削減できます。しかし、現場の人がデジタル技術を使いこなせないと意味がありません。そのため、DX導入の際には、現場の人が使いやすいツールを選ぶようにしましょう。興味を持ったDXがあった場合は、ぜひ詳しく調べてみてください。