【2021年最新版】主要なAGVメーカーをご紹介

近年、製造や流通の現場でAGV(Automatic Guided Vehicle:無人搬送車)が注目され始めており、各社特徴ある販売展開を行っています。

AGVの導入を検討する際には自社に合ったAGVの選択が不可欠です。本稿では、AGVメーカー各社の特徴について、具体的に紹介していきます。

AGVとは

AGV(Automatic Guided Vehicle)とは、一般に、床に敷設された磁気テープなどを誘導標識とし、人間の操作なしに自動で走行する車のことです。近年では、誘導標識を必要とせず、レーザレーダなどを用いて周囲環境を把握するAGVや、他のAGVと情報共有して最適な走行経路を選択できるAGVも登場しました。

様々な荷物の運搬に用いられ、製造業、医療、小売、物流などの分野で幅広く活用されています。

AGV市場

矢野経済研究所はAGV/搬送ロボット国内市場に関する調査を実施しました。

新型コロナウイルスの影響でブレーキがかかったものの、市場規模は今後も拡大を続けることを予測しています。

ユーザーがAGVに求める機能は多様化し、今後はメーカーから新たな使い方や機能を提案する事例も増えるでしょう。

参考資料:AGV/搬送ロボット市場に関する調査を実施(2020年) | ニュース・トピックス | 市場調査とマーケティングの矢野経済研究所

世界市場も国内同様に拡大していくことが予想されます。

世界の市場調査を行っているグローバルインフォメーションが2020年9月に発刊したレポートによれば、AGV市場は2020年の23億米ドルから2025年には36億米ドルに達し、年平均9.3%の成長を遂げるとしています。

新型コロナウイルスがEC(電子商取引)需要を高めるとともに、アジアなど新興国の経済成長がAGV市場の後押しとなるでしょう。

参考資料:グローバルインフォ/AGV世界市場、年平均9.3%の成長予測 ─ 物流ニュースのLNEWS

主要AGV関連メーカー

AGVを開発しているのは主に電子機器メーカーです。それぞれが異なるターゲットを設定し、特色ある開発を行っています。

パナソニック

パナソニックは、主に工場での運用を見据えた中規模AGV開発を進めています。

最大800kgまでの重量物を自動搬送することができ、電子地図をもとに走行するため、床面の工事やテープ敷設の必要がありません。AGVの身長が低いため、既存の台車の下に潜り込み、持ち上げることが可能です。

参考資料:自動搬送ロボット(AGV) – 自動化・省人化システム – 電子部品実装 – Panasonic

DAIFUKU

DAIFUKUが目指すのは、効率的な自動倉庫の構築です。自社で開発しているトラバーサー(鉄道車両のように、重量物を水平移動させる装置)と組み合わせ、高速、自動で物品の仕分けを行うことができます。

参考資料:無人搬送車 | DAIFUKU

日本電産シンポ

日本電産シンポが対象とするのは、コンビニ向け配送センターや、ネット通販用配送センターなどの小売・物流業界です。AGVはトラックから荷物を下ろし、保管する工程、及び、トラックに荷物を積み込む工程で活用されます。

物流業界におけるニーズの高まりや、人手不足を解消するソリューションとして、注目されています。

参考資料:AGVシステム | 日本電産株式会社

オムロン 

オムロンは、周囲に人や障害物が多数存在する状況でも、自動で障害物を回避する機能を備えたAGVを開発しています。

周囲環境の確認にはレーザースキャナを用いています。工場だけでなく、医療現場など、ランダムに人が移動する環境でも利用可能です。

参考資料:モバイルロボットの特長 | ロボティクス | オムロン制御機器

村田機械

村田機械が進めるのは、工場内ロジスティクス(効率的なモノの流れ)の構築です。食品・医薬・化学・電子機器・機械部品などの分野を対象に、それぞれに合った物流システムを提案します。

参考資料:AGV|村田機械

明電舎

明電舎は搬送重量、誘導方式、形状、価格などに関して非常に幅広いラインナップを持ちます。顧客に合った最小コストのAGVを提供することが可能です。

参考資料:無人搬送車キット|AGVナビ(明電舎の無人搬送車サイト)

まとめ

AGVメーカーは各社がそれぞれ特徴あるAGV開発を行っており、目指すシステムの形も様々です。

AGV導入の際には自社が目指す物流の形をイメージしつつ、それに合ったメーカーを選定することが必要になるでしょう。

本稿がAGVメーカー選定の一助となれば幸いです。