新型コロナウイルスの影響を受けて、ゴルフマーケットは活況を取り戻しました。株式会社Tポイント・ジャパンが実施した『ゴルフに関するアンケート調査（第3回）』では「”密”を避けて楽しめるスポーツだから（29.4%）」「ゴルフ以外にからだを動かす機会が少なくなったから（12.7%）」を理由に、ゴルフを始める人が増えたと報告されています。
このような背景から、ゴルフ用品店はクラブやシューズなどの仕入れを強化しています。
しかし、販売チャネルの多様化で顧客対応業務が複雑になったり、商品数が増えて在庫管理が煩雑したりと、業務負荷が重くなったと悩む方も増えてきました。
そこで今回は、RFIDを活用してゴルフ用品店の業務効率化を実現する方法をご紹介します。業務負荷を軽減したいと考えている方は、ぜひ記事を参考にしてみてください。
ゴルフ用品販売店がRFIDで解決できる課題
ゴルフ用品販売店がRFIDを活用すると、次の業務を効率化できます。
在庫管理業務
ゴルフ用品販売店が商品ラインナップを増やすと、在庫管理業務が大変になります。
コロナ禍でオンラインショップの利用者が増えましたが、基幹システムと倉庫管理システムの情報を一致させておかなければ、欠品で希望納期日に商品が届けられない事態を招いてしまいます。これらは、適切に在庫管理が行えていないことが原因で起きる問題です。
そのため、倉庫の入出荷情報は正確に迅速に処理しなければいけません。しかし、売上が伸びて入出荷量が増えると処理ミスが起きてしまうのです。
このような問題は、商品バーコードをRFIDタグに切り替えることで解決できます。商品にRFIDタグを付ければ、スキャナーを活用して複数の商品情報を一括処理できます。入出荷作業を効率化できるだけではなく、正確な処理も可能です。
販売チャネル対応業務
ゴルフ用品販売店が運営するオンラインショップが支持されています。
マーケティング調査会社のGfK Japanが実施した「主要ゴルフ用品のインターネット販売動向」によると、ゴルフ用品のインターネット販売規模はコロナ前後で11.7%増加しました。
インターネットの普及で、ゴルフ用品の販売チャネルは「実店舗」「ECサイト」「SNS」「LINE」「電話」と多岐に渡っており、各チャネルに担当者が配属されるようになりました。
このような場合、リアルタイムの在庫状況を担当者で共有しておかなければいけません。なぜなら、リアルタイムの在庫情報を共有しておかなければ、欠品で商品の配達ができないトラブルが起きてしまうためです。
RFIDタグを付けた商品を取り扱い、アンテナから電波を流せば、リアルタイムの在庫情報を社内で共有できるようになります。
顧客サービスの向上
ゴルフ用品店の品数を充実させると、お客様は店舗で商品を探す手間がかかります。目当ての商品がどこにあるか見つけにくいと、販売機会を失ってしまうことになるでしょう。このような問題もRFIDで解決できます。
商品にRFIDタグを付けておき、店舗のデジタルサイネージと連携させて、求めている商品がどこにあるか表示させれば、探索しやすくなり顧客満足度を上げられます。
顧客が探している商品を検索できるような仕組みで、顧客満足度向上に取り組む動きが注目され始めています。
ゴルフ用品販売店がRFIDを活用する上での課題
ゴルフ用品販売店がRFIDを活用すると、業務効率化や顧客満足度の向上など、さまざまな効果が見込めます。
便利なRFIDタグですが、金属の商品に取り付けると通信ができなくなったり、通信距離が短くなったりしてしまいます。電波を発信しても、タグが正常に反応しなくなってしまうのです。このような問題を防止するために、商品に金属タグを取り付けるようにしましょう。
弊社は多種多様なRFIDタグを取り扱っており、ゴルフ用品店に向いている金属タグのご提案ができるため、ぜひお気軽にご相談ください。
ゴルフ用品販売店がDXで導入したいサービス
ゴルフ用品販売店がRFIDを活用すると業務効率化ができると説明しましたが、どのようなサービスがあるのでしょうか？ここでは、弊社が取り扱っているおすすめのサービスをご紹介します。
Locus Mapping
Locus Mappingは在庫・物品管理システムです。商品にRFIDタグを取り付けて、アンテナからタグ情報を得るための電波を発信するだけで、瞬時に数百個の商品情報を読み取り「何が」「どこに」「どれだけ」あるのかを表示できます。
ゴルフ用品店で使用すれば、お客様が探している商品がどこにあるかを把握でき、求めている商品を瞬時に取り出せます。
定期的に情報を更新すれば、リアルタイムの在庫情報を共有でき、バックヤードでのピッキング作業・店頭への品出し作業の効率化が図れます。ゴルフ用品店の販売業務や倉庫の在庫管理業務の効率化におすすめのソリューションです。
RFID自動読取ゲート
倉庫の出入り口にRFID自動読み取りゲートを取り付けておけば、RFIDタグが貼られた商品の情報を瞬時に読み取り、入荷、出荷の情報入力を自動化できます。
開閉扉がない開放型のRFIDでありながら、ゲート内のみを正確に読み取ります。アンカーを打つ必要がなく簡単に設置できるため支持を集めているソリューションです。
RFIDで業務効率化した小売業の成功事例
RFIDを活用すると、どの程度の業務効率化ができるのでしょうか？RFIDで業務効率化を実現した小売業の成功事例を確認しておきましょう。
株式会社ファーストリテイリング
出典元：『ユニクロ』
株式会社ファーストリテイリングは、ユニクロやGUなどのアパレル店舗を運営している会社です。
ユニクロでは2018年以降、全商品に対してRFIDタグを取り付けています。RFIDタグは安価な価格で作成できるため使い捨てとなっており、店舗の在庫管理や無人レジによる店舗業務の効率化を実現しています。
それだけではなく、「どこで」「どれぐらい作られて」「倉庫にいつ届くのか」「在庫数はどれぐらいなのか」「バックルームの在庫数はどれぐらいなのか」を全て把握できるようにしました。ミスのない正確なオペレーションで、コスト削減に成功しています。
ユニクロでRFIDがどのように活用されているか詳細な情報が気になる方は、下記の記事を読んでみてください。
>>関連記事：『【更新】RFIDタグを導入したユニクロから学ぶ他業界RFID活用のヒント』
株式会社コックス
出典元：『株式会社コックス』
株式会社コックスは、イオングループで紳士衣料や婦人衣料、子ども衣料の企画・販売をしている会社です。全国に188店舗（※2022年2月28日時点）を展開しています。
コロナの影響で、リアル店舗からECサイトで商品を購入する人が増え、小口発送業務や返品業務などで現場のオペレーションが煩雑していました。また、店舗にある5,000商品の棚卸しも大きな負担となっていました。さらに、倉庫の状況が把握できないために、販売機会ロスも発生していたのです。
コックスでは、このような悩みをRFIDで解決しました。RFIDを活用して商品タグの一括処理を行い、棚卸し業務時間を40時間から3時間に短縮。棚卸し業務を削減したことで、顧客対応に集中できる、働き甲斐のある職場づくりを実現しました。
株式会社バロックジャパンリミテッド
出典元：『株式会社バロックジャパンリミテッド』
株式会社バロックジャパンリミテッドは、MOUSSYやSLYなどの人気アパレルブランドを展開している会社です。同社では、在庫管理システム上の数倉庫の在庫数が合わないという問題が起きていました。また、販売管理システムと店舗の商品数が合わないという悩みも抱えていたそうです。
お客様が探している商品を見つけられず、販売チャンスを逃すこともありました。このような課題を解決するために、商品の位置を瞬時に把握できるツールの導入を検討し、RDIFの活用を始めたのです。RFIDを活用することで、探している商品を瞬時に見つけられるようになり、倉庫や店舗で発生していた欠品の問題解決にも成功しました。
株式会社バロックジャパンリミテッドの事例を詳しく知りたい方は、下記の記事をお読みください。
関連記事：『P3 Finderの導入により倉庫や店舗で発生していた欠品の大幅削減に成功』
[補足]ゴルフ業界で活用され始めるRFIDの動向
ゴルフ用品店の販売業務をRFIDを活用して効率化する方法をご紹介しましたが、業界でもRFIDが活用されています。
ゲーム感覚でパフォーマンスを上げられるゴルフ練習場の登場
出典元：『Top Golf』
世界中でゴルフ練習場を運営しているTopGolf社では、RFIDを活用してプレイヤーのゴルフパフォーマンスを自動採点、ゲーム感覚で練習できる仕組みを作りました。
ターゲットにヒットさせられれば、プレーヤーのスコアは2倍にアップ。その一方で、ターゲットにヒットさせられなければ、プレーヤーのスコアはダウンします。
これらのスコアはデジタル画面上に表示され、ゴルフ練習場の利用者全員でスコアを競い合えるのです。そのため、競争心が芽生えて、ゲーム感覚でゴルフのパフォーマンスを上げていけます。
この仕組みを実現するために、ゴルフボールの中に埋め込まれたRFIDタグ、練習上に取り付けられたRFIDリーダー、スコアを表示するプラットフォームが用いられています。
入出荷作業や在庫管理の省力化
ゴルフ用品店（小売業）では、RFIDの特徴を活かして入出荷作業や在庫管理を少人数体制で運用する動きが出てきました。
非接触のRFIDを活用すれば、高所に保管されている在庫もハシゴを使用せずに在庫管理できるため、作業員の転落事故が防止できます。それだけに留まらず、下記の業務にも活用され始めて、大きな注目を集めています。
＜RFIDの活用事例＞
- 入出庫検品
- 在庫管理
- 棚卸
- 倉庫内の動線管理
- ロケーション管理
- カゴ車・パレット管理
- 車両の入退場管理
- 設備保全管理
まとめ
コロナの影響によりゴルフマーケットが活況を呈しています。ゴルフ用品店はゴルフクラブやゴルフシューズなど、商品の仕入れの強化をしていることでしょう。しかし、店舗の品数を増やすと在庫管理が大変になります。
これらの業務を効率化したいという方は、RFIDを活用して販売DXを始めてみませんか？この記事を読んでRFIDに興味を持った方がいましたら、ぜひお気軽にご相談ください。お客様の要望をお聞きして、DXのサポートをさせていただきます。